子育て通信 #48

親子の触れ合い

学童保育

 先日、NHKテレビの「クローズアップ現代」で学童保育のことが取り上げられていました。日本各地で学童保育がパンクしかけているのです。このことはもうだいぶ前から予想されていることでしたから別に驚くようなことではありませんでした。

 もともと学童保育は保育園から小学校に上がった子どもたちを続けて預かってくれるところを求めて、親の間で自主的に作られたり、行政が児童館や学校の校庭の一部に施設を作ったりして5-6時頃まで児童を預かるようになったものです。戦前からそれらしきものは作られていたのですが、いわゆる「カギっ子」が増えた頃から学童保育も増えだし、行政側もだんだんとその設置に努力をしてきました。

 子どもの数は減っているものの学童保育を希望する家庭は増え続けています。地域によっては3年生まで学童保育をしてきたものを6年生まで希望されるようになったり、放課後の子どもの安全のために親のいる家庭でも学童保育を希望するところが増えました。

 私も気づいたのが、学童保育に行く子どもが多くなると放課後の子どもたちの過ごし方が変わってきたことでした。私が小学生の頃はまだ私の地域には学童保育がありませんでした。でも、たいした問題は無く、「カギっ子」の友達も数人だけで、放課後は近所の友達の家にいました。また、ほとんどみんなで学校の運動場で夕方遅くまで遊んでいました。

 しかし、最近は学童保育の子どもが増え、学童保育されていない子どもたちが遊ぶ友達がいなくて困っているケースが増えたのです。

 一方、学童保育も限られたスペースに多くの児童が集まり、熱気で気分の悪くなる子、鼻血を出す子も出てきています。外に出て遊ぶにしても、指導員の目が届かなくなって、事故やケガも増えたといいます。

 そんな中、学童保育を全ての児童対象に行う地域もできてきました。するとそれに反発する家庭も出てくるのです。きめ細かな保育ができないという理由などが挙げられていました。そして、親が自主的に保育者を頼んで民間の学童保育を作っているところも新たに出てきました。そしてそれを事業として行う企業も生まれました。ある民間の学童保育では親の要望に応じて、保育時間の延長を行い、夕食を出したり、夜10時まで保育したり、車で学校まで迎えに来て、家まで送るところもあります。



親との触れ合い

 戦後、電化製品の増えて家事の時間が短縮されました。そのために女性もかなり社会進出できるようになりました。社会は女性が働きやすいようにどんどん整備されています。また、経済的に厳しくなりましたから、夫婦共働きでないとやりくりができない家庭も増えたのです。

 そういうことを見ていきますと、保育所の延長として学童保育は必要不可欠ということになります。

 でも敢えてここで、それが本当によいのか見直すことも必要ではないでしょうか? 人間の作り出すものはどんなことでも100%良いということは無いでしょう。ですから、この状態が子どもたちにどんな影響を与えるか考えてみる必要があります。

 「カギっ子」という言葉が出だした頃、「子どもがかわいそう」と言われたのです。子どもが家に帰った時に、家に家族が誰もいない、「ただいま」と言っても返事のない家庭ではかわいそうだと言われたのです。そして、それが子どもの心に良くないと考えられたのです。母子家庭や夫婦共働きの家庭ではお母さんができるだけ早く帰宅するようにされていましたが、そういうわけにもいかない家庭はたくさんありました。

 私が小学生の時は運動会の昼食は家族と一緒に運動場で食べました。親の来れない子どもは近所の家族と一緒に食べましたし、それも難しい子どもには学校がお弁当を用意していました。

 今は給食がほとんどですからそんな心配も要りません。昼食時には子どもたちは教室に戻り、親は家に帰って食事します。おじいちゃん・おばあちゃん世代に聞くと、運動会で子どもたちと一緒に食べるのが楽しかったし、運動会は町内の行事みたいなものだったようです。ですから、こういう状態になっているのを寂しがっている方も多くあります。

 実際、運動会に限らず、親との接触が少なくなっているのではないかと感じます。私が気になるのは、お母さんが子どもとの接触をもっと持ちたいけれど仕事が忙しくてなかなか接触できないという人ではなく、子どもを預けるのが当たり前のようになって、お母さんが子どもとの接触の少ないことを気にしなくなってしまう場合のことです。

 子どもの感覚は優れていますから、お母さんが子どもとあまり触れ合いたくないと思っていると、そのことを子どもは察知します。そして、それはその子の心に大きな影響を与えます。ここのところが気になるというわけです。

 仕事をしなければ食べていけないし、現代は仕事もかなり忙しいです。ですから、親子の触れ合いの時間が少ないのは仕方のないことなのです。そんな中、「朝食は家族そろって食べましょう」とか「休日には家族で一緒に過ごしましょう」とかどんどん言われるわけです。この言葉自体がお母さん方・お父さん方にストレスになっていることもあるのです。

 親子の触れ合いをゆっくりと楽しむことができるといいなあと感じるこの頃なのです。私の子どもたちも大きくなってきて、触れ合いがだんだんできなくなってきたから余計に感じているのかも知れません。

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