子育て通信 #51

最近、男の子のことが

安心した!

 数年前、幼稚園児の男の子の子育てで悩んでおられたお母さんに「男の子って、どうしてこうなの?」(スティーブ・ビダルフ著 草思社)という本をお貸ししました。すぐに読まれたこのお母さんは、自分でも本屋さんにこの本を注文されたくらい気に入られました。「この本を読んで、息子がどうして落ち着きがないのかわかって安心しました」と笑顔を見せてくださいました。

 子育ての悩みの内多くのものは心配のないことが多いものです。子どもの素直な発達であるにも関わらず親には理解できないことがたくさんあるものなのです。



「男の子」に悩む

 「男の子」に関する問題が最近たくさん取り上げられるようになっているように思います。それは「男の子」が男の子らしさを失っているなどが主流です。

 まず、女性であるお母さん方にとりまして男性である「男の子」は理解しにくい存在であることは事実です。同じ人間であり、差別してはいけないことは事実ですが、男性と女性というのはかなりの違いがあり、気持ちも理解しにくいものなのです。

 結婚した男女(夫婦)が互いを理解するにはかなりの時間がかかりますし、一生付き合っても理解しきることは無いとさえ言われています。お母さんが「男の子」を理解できなくて当然なのかも知れません。しかし、かわいい我が子ですから、理解したいと思いますし、理解しているとも思っているのです。ところがたいがい幼稚園くらいの年齢で「どうしてこの子は???」と「男の子」のことで悩み出されるのです。

 あるいはその時期を特に問題を感じないで過ごし、「かわいい、かわいい」と言って過ごせても、小学校の3-4年生で、または思春期を迎えて、「どうして・・・」となることが多いのです。



テストステロン

 「男の子」が落ち着きの無いのは「テストステロン」という男性ホルモンが幼稚園くらいの時期に大量に放出されるからだそうです。このホルモンによって自ずとじっとしておれなくなり、活動的になるのです。このことを知っているだけでも、我が子がじっとしておれないことに理解を示し、安心できるものです。

 ただ、この時点で最近は「AD・HD」を疑われる親御さんも多くあります。「うちの子は多動なので、AD・HDではないでしょうか?」と。そうであるかどうかの判断は難しいと思います。最近は専門機関も増えているので、この時点でも診断できる病院があるのかも知れませんが、「テストステロン」の大量放出という正常発達をしているだけなのかも知れません。たいてい、「AD・HD」かどうかの診断はこの状況の落ち着いてくる小学校に上がってからでないと難しいと言われています。要は発達段階で男の子にはこの時期にテストステロンがたくさん出てくるためにじっとしておれないという現象が生じるのだということです。



じゃれつき

 「じっととしておれない」時期だということを理解しても、やたら他の子を叩いたり、とっくみあいしたりするということもあって、お母さんにするとお互いの人間関係にも影響してきて困ることがあると思います。つまり、どこまでしつけるべきかで困るというわけです。

 その前に幼稚園くらいの男の子の場合「じゃれつきあい」「じゃれつき遊び」が大事な時期であることも忘れないでいただきたいのです。昔は親の知らないところで、結構子どもたちは互いにじゃれついていました。とっくみあいのケンカもあったでしょう。でも色々な子達の関係の中で仲直りもしてきましたし、「じゃれつき」の限度も覚えてきたのです。ところが近年は兄弟も少なく、友達との遊びも少なく、「じゃれつき」が減っているのです。そのため「じゃれつき」たいのですが、できないことが多いのです。たまに「じゃれつき」ができるチャンスがあると、嬉しすぎて一気にいってしまいますから、相手を困らせたり、それを見ている相手の子のお母さんにとっては、「我が子がいじめられている」としか見えなくて、その子を「いじめっ子」とレッテルを貼ってしまうものなのです。



しつけとの関連

 そこで、やはり「しつけ」について気を使い、お母さん方にストレスも出てくるのです。そのことをご主人に話しても「この時期の子はそんなもんだよ」なんて簡単に言われて、「うちの主人は話にもならない」「真面目に聞いてくれない」「子どものしつけに無頓着だ」等々思ってしまいやすいのです。ですから「我が息子のしつけは私がしっかりやらなきゃ」と、一人抱え込むことがあります。

 確かに他の子どもに迷惑になるくらいまでじゃれついたり、それが過激になって暴力的になってはいけないでしょう。あるいは対等にじゃれあってくれる子ならいいのですが、それが嫌で逃げる子の場合、それを追いかけると過剰ないじめにもなるでしょう。

 難しいのですが、「じゃれつき」は大事な遊びなのです。このことに慣れていくと子どもたちも限度を覚えるのです。ただ、覚え切れていない状態、あるいはひどいことをする場合は大人がその状態に水をさすような事も必要です。この時に大人も過剰反応を示さず、「あー、やりすぎよ。もうちょっと楽しく遊ぼうね」くらいにおとなしく対応した方がよいでしょうね。「あっ!ひどい!やめなさい!!」などとやってしまうと子どもは「じゃれつき」と「けんか」「暴力」「いじめ」の見極めができなくなるのではないでしょうか。



家庭でも

 お母さんにとっては「あばれ盛りの男の子」の面倒を見るのは大変なことかも知れません。子どもによってその程度も全然違いますから、楽な家庭もあれば、大変な家庭もあります。できればお父さんが「じゃれつき」に協力してくださることがいいですね。「くすぐり」「すもう」などじゃれ合っていただきたいです。

 そして、お父さんの権威もそこで学ぶことができるのが望ましいですね。お母さんがお父さんに「ありがとう」や「お父さんのおかげ」とかを子どもの聞いているところでも語って欲しいのです。反対にお父さんがお母さんに「この夕食、おいしいよ」とか「ありがとう」もとても大切な言葉です。こうしたことばを聞いて男の子は「男」になる準備をし、「女性をいたわる」ことも覚えます。



お母さんの奴隷

 「最近の男の子は弱々しくなっている」と言われます。確かに女の子とケンカして負けるとか、小学生が学級会で女の子に反論できないとか、そういうケースが増えています。頭から女の子に逆らわないようにしている男の子たちもたくさんいるそうです。何も女の子に張り合う必要はないのですが、男の子の元気さが失われているのなら注意ですね。この背景にはお母さんが影響しているという話があります。暴力的なことを嫌うお母さん方が(基本的に暴力は誰でも嫌うのですが)男の子の粗暴さを嫌い、自分好みの「穏やかで優しい子」にしようとするのだそうです。男の子は「お母さんに好まれる奴隷」になろうとするのだそうです。



真の権威を!

 聖書の中に 人はみな、上に立つ権威に従うべきです。神によらない権威はなく、存在している権威はすべて、神によって立てられたものです。(ローマ人への手紙13:1) という言葉があります。家庭において、子どもが王様になってはいけません。家庭を治めるのは父親の仕事だと言われています。もちろん、お母さんを尊敬しないのではいけません。

 父親は神様の権威の元で、正しいことを子どもに教えるのです。男の子は粗暴なところがあっても、この権威を教えられていますと、発達の中での「じゃれつき」と自分勝手な「ケンカ」「いじめ」がわかってきます。また、そのように教えていくべきなのです。そして、本当の優しさを覚えるようになります。また、聖書で教えている「自制」を身につけていくことも大事なのです。

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