子育て通信 #92

これから向かうところ

2012年の幕開け

 昨年は東日本大震災・津波・原発問題等々で日本も大変危機的なところを通りました。まだまだ解決には時間がかかりますが、2012年が幕を開けました。


 新しい年を迎え、お子さん達はさらに新しい学年に向かう時を間近に迎えました。彼らは私たちの子ども時代とは違うものを体験しているのです。

 私のように昭和30年生まれの者は電気製品がまだまだ無かった時代で、どんどん電化されていくのを見て来た人間です。ゲーム機はもとより、パソコンなんかはありませんでした。それが、現代の子どもたちは生まれた時からパソコンも、ゲーム機、携帯電話、エアコン、テレビ、電気掃除機、電子レンジ等々あらゆる電化製品のあること自体が当たり前です。

 私たちが子どもの頃の子どもたち、若者たちは色々な人生の「夢・希望」を持っていました。しかし、現代の子どもたち、若者たちは「夢・希望」が無いと聞きます。このことは私の気になるところです。2012年、子どもたちが希望を持つような年になって欲しいと願うのは私だけでは無いと思います。


さて、子どもたちは成長し、大人へと向かっていくのですが、その間にどのようなところを通るのでしょうか? 改めて簡単ではありますが、子どもの成長・発達を考えてみたいと思います。

幼児期

 赤ちゃんであるお子さんをお持ちの保護者の方は、大人だけの生活の中に子どもが加わったことで生活の全てに大きな変化があったことと思います。赤ちゃんに振り回されるようなことが多かったのではないでしょうか?

 その小さな子が、活動的になり、言葉もたくさん発するようになり、表情も豊かになり、とてもかわいく楽しみが増えるのが幼児期です。同時に第一反抗期を迎えるために扱いにくいと感じることも出てきます。しかし、この時期は自我確立のためにとても大事な時期と言われています。いろいろな事に興味・関心をもち「自分でする」ことに喜びを感じています。大人が手助けしようとしても「いや!」「じぶんでする」と言って大人の手をはねのける時期です。

 この幼児期は親が過干渉にならないことに心がけたいところです。

小学生時代

 続いて、幼児期を終えて小学校に上がるという大変大きな変化のある時期を迎えます。子どもたちは「お兄ちゃん・お姉ちゃんになった」という自覚が出ます。それはランドセルや教科書などによってより意識が明確化するのかも知れません。同時に精神的にも「幼児」から「少年・少女」へと変わっていくのです。

 6年間の小学生時代は多くの場合、親にとって幼児期のように手がかからなくなる楽な時期と言えます。ただ手がかからないから手をかけなくて良いかというとそういうわけでは無いのです。特に1~2年生の間は保護者の関わりをかなり必要としています。

 3~4年生は一つの発達の節目があると言われ、抽象思考が発達し、物事を見る目がしっかりしてきます。自他を区別して、他者の気持ちを理解する力がついてきます。いわゆる「9歳の壁」とか「10歳の壁」と言われる時期です。

 小学校ではこの時期のクラスはベテラン教師に担任させる方が良いとさえ言われます。とても活発になり、どんどん発達していく時期ですが、同時に抽象化の思考に切り替わっていくために勉強でつまずきを感じる子どももいます。ていねいに子どもの様子を見てあげることが必要な時期です。

 5~6年生は男女で大きな差が生じ、女子は思春期に入る子も多く、一気に大人っぽくなります。男子はまだ子どもっぽい子が多く、たわいも無い話で盛り上がります。

 考え方も大人化していきますが、まだまだ現実を見つめる力に乏しく一面的です。しかし、話し合う力もつき、自分の考えをもってそれを説明する力もついてきます。学校でも家庭でも話し合いをすることができますし、そうすることが大事です。反対に一方的に指示だれるだけでは納得がいかなくなります。それは思春期に顕著になりますが、それがこの時期に準備されているのです。

思春期

 かつては中・高生時代が思春期と言われていましたが、最近では小学生の上級生頃から始まることが普通になってきました。そして、終わりがなかなか来ないという現象も起こっているようです。

 思春期は自我を確立する大事な時期と言われています。小学生時代に形成してきた考える力、人を思いやる力、自分を見つめる力等々によって大人の仲間入りをしていきます。この思春期を越えて大人となり、親を離れる時期になるというわけです。

 ところが、この思春期はそういう心理的な成長が激しいために精神的な病気になることも多々あります。その時に「いじめ」や「家庭不安」等が加わるとなおさら精神的に不安定になり、回復の難しい精神障害を負うこともあります。また、犯罪との関わりを持つことも多くなります。本当にこの思春期は大変な時期だと思います。

 性的な発達は彼らにとってあまりにも衝撃的なことであり、相談できる人さえ見つけられずに悩むことがあります。時にはそれは勉強もできなくなる悩みとなったり、引きこもるような悩みとさえなることがあります。

今、できること

 幼児期から成長して少年・青年へと向かうのはそう遠いことではありません。その時になってからではできなくなることがあります。たとえば、「抱きしめ」ということは今だからこそできるのかも知れません。抱きしめられなくなる時が来ると思ってよいでしょう。そして、この抱きしめは精神的安定感を持たせるためにはとても大事な事と思います。親子の触れ合いが子どもの心に安心感をしっかりと残すのです。この安心感は大きくなっても消えないものです。

 子どもが大きくなると「もう話をしてくれない」と嘆かれる親御さんが多くあります。そういう時期だと考えることができます。親よりも友達を大事にし、友達と話すことが増え、親とは話さなくなっていくのです。しかし、思春期の悩み多き時に大人は子どもと話せる方がよいと思います。そのためには「今」話ができる時に、話せる親子関係を築いておくことが必要かと思います。それは、「子どもの話を聴く」ということから始まります。

委ねる

 私は牧師として人々に「神様に委ねる」ことを聖書からお話ししています。

 子どもは神様からその夫婦に託された大切な人格だと思っています。しかし、人間は親となっても不完全です。神様以外に完全な方は無いのです。子育てを一人で抱え込まないで、神様に委ねるのです。

 「この子を、今日一日守ってやってください」というような祈りをすることです。

 そして、自分も神様に守られていることを確信して歩むことです。自らの人生も委ねてみることです。

あなたの重荷を主にゆだねよ。
主は、あなたのことを心配してくださる。
(詩篇55:22)

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