士師記6:11-16

私が勇士ですか?

礼拝メッセージ

2023/6/4 礼拝説教
【テーマ】  真の救いが必要
【説教題】 「私が勇士ですか?」
【聖書箇所】 士師記6:11-16

6:11 さて【主】の使いが来て、アビエゼル人ヨアシュに属するオフラにある樫の木の下に座った。このとき、ヨアシュの子ギデオンは、ぶどうの踏み場で小麦を打っていた。ミディアン人から隠れるためであった。
6:12 【主】の使いが彼に現れて言った。「力ある勇士よ、【主】があなたとともにおられる。」
6:13 ギデオンは御使いに言った。「ああ、主よ。もし【主】が私たちとともにおられるなら、なぜこれらすべてのことが、私たちに起こったのですか。『【主】は私たちをエジプトから上らせたではないか』と言って、先祖が伝えたあの驚くべきみわざはみな、どこにあるのですか。今、【主】は私たちを捨てて、ミディアン人の手に渡されたのです。」
6:14 すると、【主】は彼の方を向いて言われた。「行け、あなたのその力で。あなたはイスラエルをミディアン人の手から救うのだ。わたしがあなたを遣わすのではないか。」
6:15 ギデオンは言った。「ああ、主よ。どうすれば私はイスラエルを救えるでしょうか。ご存じのように、私の氏族はマナセの中で最も弱く、そして私は父の家で一番若いのです。」
6:16 【主】はギデオンに言われた。「わたしはあなたとともにいる。あなたは一人を討つようにミディアン人を討つ。」

士師記6:11-16

○ 皆さんは突然の人事に驚いたことはありませんか? 「なぜ私にこんな大事な仕事を任されるのか?」というようなことです。今日の主人公は神から突然、士師に選ばれたギデオンです。

失敗の繰り返し

士師の時代

    1.ヨシュア記を終えましたので、次は士師記です。士師記はヨシュアの死からサムエルが生まれる前までの約200年間のイスラエルの歴史を扱っています。この間、全国民を統一する政治的指導者や王は無く、「士師」「さばきつかさ」と呼ばれる12人の人によってイスラエルは導かれます。

    2.その12人の多くは戦士ですが、中には女性もいます。また、祭司や預言者もいました。順に、①オテニエル、②エフデ、③シャムガル、④デボラ(とバラク)、⑤ギデオン、⑥トラ、⑦ヤイル、⑧エフタ、⑨イブツァン、⑩エロン、⑪アブドン、⑫サムソンです。

士師記は「失敗の書」

    1.ヨシュア記は「勝利の書」と呼ばれるのに対して、士師記は「失敗の書」と言われます。その理由は、イスラエルの民が神に背き、残っていたカナンの先住民と妥協して偶像礼拝と不道徳に陥るという歩みを際限なく繰り返すからです。

    2.そうすると神の裁きが降り、周辺諸国から攻められ苦しめられます。すると、イスラエルは神に赦しを乞い、神はその叫びを聞いて救助者としての士師を遣わされるのです。その士師が死ぬとまた罪に陥り、裁かれて苦しみ、神に赦しを乞うのです。この繰り返しなのです。こういうのが人間の姿なのでしょうか。

ギデオン

勇士と言われたギデオン

    1.この士師の中で有名な一人がギデオンです。ギデオンはイスラエルをミディアン人から救い出すために神に選ばれるのですが、怖くて隠れて小麦を打っていた人です。そこに天使が現れて信じられない言葉を語ります。 「力ある勇士よ、【主】があなたとともにおられる。」 です。とても勇士なんかではないのにです。

    2.彼は自分が本当に神に選ばれているのか確信したいために羊の毛を使って確認します。6:36 ギデオンは神に言った。「もしあなたが言われたとおり、私の手によってイスラエルを救おうとされるのなら、6:37 ご覧ください。私は刈り取った一匹分の羊の毛を打ち場に置きます。もしその羊の毛だけに露が降りていて、土全体が乾いていたら、あなたが言われたとおり、私の手によって、あなたがイスラエルをお救いになると私に分かります。」6:38 すると、そのようになった。ギデオンが翌日朝早く、羊の毛を押しつけて、その羊の毛から露を絞り出すと、鉢は水でいっぱいになった。6:39 ギデオンは神に言った。「私に向かって御怒りを燃やさないでください。私にもう一度だけ言わせてください。どうか、この羊の毛でもう一度だけ試みさせてください。今度はこの羊の毛だけが乾いていて、土全体には露が降りるようにしてください。」6:40 神はその夜、そのようにされた。羊の毛だけが乾いていて、土全体には露が降りていたのであった。 と、神を試みたのです。いいんですか? 神を試みて? でも、神は許されるのですね。ギデオンはこうして自分が士師となることを決心しました。

不思議な戦い

    1.そしてまた有名なのが、ギデオンが戦うために戦士を集める時です。最初3万人のイスラエル人が戦いのために出てきましたが、勇気の無い者を帰すと1万人になりました。さらに神は彼らを水飲み場に連れて行くように言われ、 7:7 「手で水をすすった三百人で、わたしはあなたがたを救い、ミディアン人をあなたの手に渡す。残りの兵はみな、それぞれ自分のところに帰らせよ。」 と、たった300人で戦うように指示されたのです。こんな少ない人数で戦えるのでしょうか?

    2. 7:16 彼は三百人を三隊に分け、全員の手に角笛と空の壺を持たせ、その壺の中にたいまつを入れさせて、7:17 彼らに言った。「私を見て、あなたがたも同じようにしなければならない。見よ。私が陣営の端に着いたら、私がするように、あなたがたもしなければならない。7:18 私と、私と一緒にいるすべての者が角笛を吹いたら、あなたがたもまた、全陣営を囲んで角笛を吹き鳴らし、『【主】のため、ギデオンのため』と言わなければならない。」 と頭脳戦とも言える戦いで勝利を得ました。

    3.ギデオンが勝利を治めたのは神に聴いたからです。イスラエルが失敗していたのは、神に聴かなくなっていたからですよね。それをギデオンが神に聴くことで勝利を得たのです。神に聴くべきであることを神は教えておられるのではないでしょうか。

神の目にはあなたも勇士

真の救いは人手によらない

    1.ギデオンによってイスラエルは救われましたが、この後また信仰は堕落し、イスラエルは苦しめられます。どうしてこうも繰り返すのでしょうか? ここに人間の罪があるわけです。人はどうも神を第一にできず、自分を第一にしたいようです。

    2.そして、どんな勇士であっても、神に選ばれた士師であっても人を救いきれません。人を真に救うのはイエスだけです。それを神は旧約時代、イスラエルを通して教えてこられました。

私達には聖霊がおられる

    1.人は罪深くても、神はギデオンを選ばれたように、神は私達をしっかりと見てくださっています。ギデオンが自分のことを 「ああ、主よ。どうすれば私はイスラエルを救えるでしょうか。ご存じのように、私の氏族はマナセの中で最も弱く、そして私は父の家で一番若いのです。」 と見ていても、神は彼のことを 力ある勇士 と見ておられ、 あなたは一人を討つようにミディアン人を討つ。 と言われるのです

    2.同じように、私達も自分のことがよくわかっていなくても、神には知られています。イエスを信じる者はたとえ勇士と思っていなくても神の目には勇士なのかも知れませんよ。神は 【主】があなたとともにおられる と、私達にも言っておられるのです。私達には聖霊なる神が共におられるということです。

● 多くの牧師が「なぜ神は私を牧師に選ばれたのか?」と悩んできたものです。私もその一人です。ギデオンのようにすごい働きでもできたら「やはり神が私を選ばれたのは正解だった」と格好良く言えるのですが、とても言えないです。体のあちこちが悪く、英語はできない、車の運転はできない、記憶力が悪く聞いたこともすぐ忘れる、人の名前が出てこない、こんなのがどうして牧師にふさわしいでしょう。それでも神は「勇士よ」と言ってくださるのです。私の場合は「勇士」では無く、「憂士」だと思います。

★ 神はあなたを何と呼んでおられるのでしょうか? 「勇士よ!」でしょ! 神はあなたにどのような働きをさせようと考えておられるのでしょうね。