十人のうち一人の感謝
説教者：八木原海師
2024/6/23 礼拝説教
【説教題】「十人のうち一人の感謝」
【聖 書】ルカ１７：１１―１９
17:11 さて、イエスはエルサレムに向かう途中、サマリアとガリラヤの境を通られた。
ルカ１７：１１―１９
17:12 ある村に入ると、ツァラアトに冒された十人の人がイエスを出迎えた。彼らは遠く離れたところに立ち、
17:13 声を張り上げて、「イエス様、先生、私たちをあわれんでください」と言った。
17:14 イエスはこれを見て彼らに言われた。「行って、自分のからだを祭司に見せなさい。」すると彼らは行く途中できよめられた。
17:15 そのうちの一人は、自分が癒やされたことが分かると、大声で神をほめたたえながら引き返して来て、
17:16 イエスの足もとにひれ伏して感謝した。彼はサマリア人であった。
17:17 すると、イエスは言われた。「十人きよめられたのではなかったか。九人はどこにいるのか。
17:18 この他国人のほかに、神をあがめるために戻って来た者はいなかったのか。」
17:19 それからイエスはその人に言われた。「立ち上がって行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのです。」
「はみだし者」をも救う信仰
信仰は誰でも持てます。誰でもイエス様を信じて主として受け止めていくことができます。たとえ自分がはみ出し者のように思えても、神は、信仰一つで私達の神として人生を共に歩んでくださることを感謝します。はみ出しているという気持ちを持っていた人は聖書にも登場します。今日は、重い皮膚病ツァラアトにかかった10人がイエス様によって癒され、その内の一人がイエス様に感謝をしに戻って来る箇所を3つのポイントで見ていきます。
① きよめられたい10人
イエス様は癒す力のあるお方です。それを知ってか知らずか、ツァラアトを患っていた10人は、イエス様を遠くから呼びました。
17:12 ある村に入ると、ツァラアトに冒された十人の人がイエスを出迎えた。彼らは遠く離れたところに立ち、
17:13 声を張り上げて、「イエス様、先生、私たちをあわれんでください」と言った。
「遠く離れ」「声を張り上げ」とあります。ツァラアトに冒されている者は、衛生的な処置として、またきよめられていない存在として、ツァラアトにかかっていない人々とは隔離されて生活していました。そして、人々に近づかれないように、自分のいる場所を人に示すようにしていました。10人は憐れんでほしいと言いましたが、イエス様には違って聞こえたのでしょう。イエス様にはきよめてほしいと聞こえたのでしょう。イエス様は、神の平安の中に憩う生活を送ってほしいと誰にも願っておられます。ですから、時に私達が異なる要求をしても、イエス様の願いのための聞き違いをなさいます。「わかった、きよめてほしくて、神との平安に入りたいのですね」と。
② 感謝ができる
イエス様は祭司に見せるように言って、癒しました。すると当然、感謝をささげる者がいました。感謝ができることは、ツァラアトにかかっていた者にとっては貴重です。大声で神をほめたたえてイエス様のところに戻ってきました。
17:15 そのうちの一人は、自分が癒やされたことが分かると、大声で神をほめたたえながら引き返して来て、
17:16（前半） イエスの足もとにひれ伏して感謝した。
「足もとにひれ伏して」とあります。今までは人と近づいてはいけないとされていたこの人は、祭司でも、親でも同胞でもなく、イエス様めがけて舞い戻って来て、神として心からの礼拝をしました。自分は汚れていると思う人ほど、恵みを知り、大きな感謝をするかもしれません。おめでとうと言いたいですね。
③ さらに特別な1人
ツァラアトにかかっていた10人の癒しは大きな神のわざですが、その内の1人はさらに特別で、この人はユダヤ人ではありませんでした。救いから漏れているとされた他国人が礼拝に戻って来たことにイエス様は注目しました。
17:17 すると、イエスは言われた。「十人きよめられたのではなかったか。九人はどこにいるのか。
17:18 この他国人のほかに、神をあがめるために戻って来た者はいなかったのか。」
17:19 それからイエスはその人に言われた。「立ち上がって行きなさい。あなたの信仰があなたを救ったのです。」
「他国人」とあります。神は、他国人がまるでいないかのように人を見ていません。きよくないものの声が聞こえていないかのようにふるまいません。ツァラアトにかかっていて、さらに他国人のこの人が、信仰一つで救われたのが証拠です。いき過ぎな程にむごい主の十字架は全ての人のためです。
まとめ
私達も十人のうち一人の人が、大きな喜びをもって感謝したように神の恵みの大きさに心を留めて感謝ささげたいです。私達が日ごろイエス様に対して持つ思いはどんなものでしょうか？すべての思いはイエス様には「神様との平安に入りたい」という声に変換されているかもしれません。イエス様を信じる信仰を持って、イエス様を主として歩ませていただきましょう。イエス様の十字架は、誰一人とりこぼすことなく、神との平安に入れるための完全な十字架です。