
子どものために祈る
祈りは愛
今年も早いものでもう12月です。教会ではクリスマス礼拝、キャンドルライトサービス、子ども達のためのクリスマス会等々を行います。
子ども達がすくすく成長することは神様の望んでおられることで、私達大人がその使命を預かっています。
子ども達のために私達ができるものに「お祈り」があります。子ども達のために祈るということです。祈ると不思議と子ども達に対して愛が湧いてきます。それこそが神様が私達に与えてくださったプレゼントかとも思います。
年々、子ども達へのクリスマスプレゼントの金額が上がっています。ゲーム機や電子系のおもちゃが増えたからでしょう。そしてそれを子ども達が欲しがるからで、子どもの喜ぶ顔が見たくてより高価なものを買い、プレゼントする傾向にあると思います。
私が子どもの頃のプレゼントはたいしたものではありませんでした。というかそれほど高価なものが無かったのでしょう。
でも、クリスマスの朝、目覚めると枕元に置いてあったプレゼントに大喜びし、サンタクロースの存在を疑いもしませんでした。
しかし、子ども達にとって本当に必要なのは親の愛、大人から愛されることで、そのとても大事なものが「祈り」です。「祈り」は「愛」だからです。
自殺する子達
新聞にこんな記事がありました。その一部を掲載します。
子どもの自殺防止、地域のチームで
昨年、自殺で亡くなった小中高生は過去最多の529人。
異変気づかぬ「ノーマークの子」も
生きる気持ち、支える取り組み必要
――昨年の自殺者数は2万320人で、過去2番目の少なさでした。その中で、子どもの自殺は増加傾向にあります。
・・・子どもが過ごすのは学校だけではなく、放課後や家庭の問題、精神疾患を抱えて自殺で亡くなる子もいます。
・・・長野県は、未成年の自殺死亡率が高く、2016年に県と協力して対策に乗り出しました。・・・
――課題は。
一定の効果がある一方で、長野でも子どもの自殺は数としては減っていません。大人が危機を察知できないケースをどうやってすくい上げるのかが課題です。
私が代表理事を務める厚生労働相指定法人「いのち支える自殺対策推進センター」の分析でも、自殺で亡くなった272人のうち、亡くなるまで学校に以前と変わりなく出席していた子が44%に上りました。周りが異変に気づきづらい、いわゆる「ノーマークの子」が多いことに驚きました。
――子どもの自殺を防ぐには何が必要ですか。
子どもが自殺に至ってしまう背景には、いじめや虐待などの要因もあるのですが、そもそも全体的に生きようという気力がそがれてしまっているのではと感じています。
・・・
大人に相談したい子ばかりではないので、気持ちを落ち着けて、ここにいていい、生きていていいと思える機会や関係性、場を増やしていくことを社会全体で進めていかなければなりません。女子中高生の増加が顕著
厚生労働省などのまとめによると、小中高生の自殺は2017年から増え始め、コロナ禍の20年には前年比100人増と急増。以来、高止まりが続く。原因・動機(複数計上可)は、24年は「学校問題」が272件、「健康問題」が164件、「家庭問題」が108件だった。
増加は中高生の女子で顕著だ。思春期の女子のメンタルヘルスが悪化していることは様々な研究でも指摘されている。
児童精神科医で、長野県立こころの医療センター駒ケ根子どものこころ診療センター長の原田謙さんは、「診療する子どもたちの様子からも、特に中高生の女子が生きづらさを抱えている印象がある。彼女たちはSNSの普及などによって緊張した対人関係の中で思春期を過ごしている。自殺との関連は判然としないが、精神的にマイナスの影響を受けている子も少なくない」と指摘する。
また、日本の子どもは国際的に見て自尊感情が低い傾向にあり、そうした子は危機的状況に陥ると精神的に破綻(はたん)をきたしやすいという。原田さんは「家や学校に限らず、地域で関わる大人がみんなで子どもを見守っていく必要がある」と話す。
(朝日新聞 朝刊 2025/10/23)
何かできることは?
この新聞記事からわかることは、子ども達の自殺の前兆は他の人にはなかなかわからない、子ども達に生きようとする気力がそがれている、日本の子ども達は自尊感情が低い等です。
そして、
原田さんは「家や学校に限らず、地域で関わる大人がみんなで子どもを見守っていく必要がある」と話す。
と、言われていることが心に響きます。私達も地域の大人です。私達に何かできることがあるのではないでしょうか。私は牧師として、皆さんと一緒に子ども達のために祈りたいと思っています。
子育ての会を大阪で15年ほどやってきて、ここ新中野キリスト教会でも22年やってきました。初期の頃の子育ての会で出会ったお母さん方も60代後半になっておられ、そのお子さんも40才近いです。お孫さんもおられる方が多いです。本当に祈ってきて良かったなあと思っています。また、共に祈ってくださっているお母さん、おばあちゃんがおられるのが嬉しいです。
我が子、孫が健康でスクスク成長するように祈るのはもちろん大事なことですが、先ほどの新聞記事にあるように自殺を選んでしまう子ども達が増えていることを思うとその子達の心の癒し、回復、生きる希望を持ってほしいと願うのは私だけでは無いと思います。
友人の死
私は高校一年生の時、中学三年生で同じクラスだった女の子が自殺してしまったことを知りました。友人達と連絡を取り合いましたが、なぜ自殺したのか誰も知りませんでした。お葬式には行けなかったので、少ししてから友人達と一緒にご両親に会いに伺いました。
一人娘を失ったご両親は気丈にされていたもののその辛さ、さみしさは私達にも痛いほど伝わってきました。元気な私達の姿を見るのも辛かったのではないかと思いました。ご両親も自殺の原因がわからず、悩んでおられましたが、「さみしかったのかも知れない」と言われました。
私達は帰り道、中三のクラスで彼女の友達になっていただろうかと話し合いながら帰りました。あの時彼女が付き合っていた男の子がいたので、私達はみんな遠巻きにしてしまっていたことを思い出し、「友達になっていなかったのかも知れない」と感じたのです。当時、いじめはありませんでした。彼女が交際していた男子とは高校生になって学校が違い、別れたとも聞きました。また、お父さんの仕事が忙しく、あまり家族そろうことが無かったとも聞きました。でも「ごめんなさい」としか書かれていなかった遺書からは原因は掴めませんでした。
思春期の時期に
大学生になってクリスチャンになった私はずっとこのことが気になり、障害児教育の勉強をしていたものの、「思春期の精神状態」がとても気になって調べ始めました。卒論のために中学生にアンケート調査もしましたが、その質問に「自殺を考えたことがありますか?」を入れました。
ある中学校ではこの項目を削除してほしいと言われました。それはこの質問を読んで「自殺を考えられては困るから」ということでした。それでもそのまま調査できた学校もあり、多くは無いものの自殺を考えた生徒は学年が上がる毎に増えていました。原因追及まではできませんでした。実際のところなかなか原因ははっきりつかめないのでしょう。自殺する人の兆候を研究している人もいますが、中には「突発的」な自殺もあり、本当に難しいです。色々な団体が電話やメールで相談を受けていますが、そこまで辿り着かないのかも知れません。
救われた女性
何十年も前の事ですが、ある女子高生が電車に飛び込み自殺を図りました。しかし、幸い彼女は命を取り留めました。ただ、両脚と片腕は切断され、もう片腕も指が3本残っただけでした。入院中に今度は服毒自殺を図りましたが、早く発見されて助けられました。知り合いの方が紹介してくださった近くの教会のクリスチャンの方々が彼女を訪問し、力づけてくれました。後に彼女はクリスチャンになり、その中の一人の男性と結婚されクリスチャンホームを築かれました。
やはり祈りだ!
この教会では近くにある踏切で度々飛び込み自殺があったために、教会あげて自殺者がないように祈っておられたと言います。この祈りによって彼女も救われたのかも知れません。
まことに、あなたがたにもう一度、告げます。もし、あなたがたのうちふたりが、どんな事でも、地上で心を一つにして祈るなら、天におられるわたしの父は、それをかなえてくださいます。
マタイの福音書 18:19















