睡眠障害・大事な睡眠
NHKが取り上げた
1月8日、NHKのクローズアップ現代で「子どもの睡眠障害」が取り上げられました。この内容については、NHKのホームページ「NHK ONLINE」のクローズアップ現代にアップされています(クローズアップ現代「不登校12万人のかげで~広がる子どもの睡眠障害~」)。
その最初の部分を引用します。
不登校の子どもが6年ぶりに増加し12万人に上ることがわかった。さらにこの文部科学省の調査によると、3人に1人は、不登校のきっかけが「睡眠など生活リズムの乱れ」だという。ゆとり教育からの揺り戻し、部活や塾の長時間化、ゲームやスマホの浸透など、ここ数年子どもを取り巻く環境が変化し、睡眠不足が深刻になっているのだ。「午前中から眠くて仕方がない」と答えた小学生は3割を超え、心身に変調をきたす子どもも急増している。治療にあたる医療現場では、治療した子どもが退院しても再び悪化するケースが後を絶たない。子どもの脳に悪影響をもたらすメカニズムも解明されつつあり、子どもの生活環境そのものの改善が重要だという。いかに子どもたちの眠りを守り、不登校を減らしていくのか。学校と地域ぐるみで不登校を減少させた取り組み事例も交え、子どもの睡眠障害がもたらす深刻な影響と、その解決策を探る。
「NHK ONLINE」クローズアップ現代
とあります。
いじめからくる不登校などもありますが、睡眠障害によって不登校になることを取り上げたことに大変感動しました。
なぜ発達障害が増えたのか
昨年、私は講演会や子育ての会で「基本的生活習慣を幼児期に身につける」ということを強調してお話ししてきました。その理由は、「発達障害児が増えている」と言われてきたことが気になったからです。障害と言われるものは大体発症率が決まっているものなのに、それが近年増えているということであれば、そこには何らかの原因があると思ったからです。
一部では「発達障害」は昔からあったが、昔は「落ち着きの無い子」という言い方で終わって、それほど問題視されなかったと言われていました。
しかし、どうやら実際に発達障害と思える子ども達が増えているというのです。私は子どもの生活習慣が何かしら子どもに影響して、本来脳に障害を持っているわけでもないのに、後天的に「発達障害」と同じ様相を示すものが出てきたのではないかと考えてきたのです。それはゲームのし過ぎによる「ゲーム脳」などが問題では無いかと考えてきました。しかし、ゲームだけの問題では無いことにも気づいていました。
大事な睡眠
人間は寝ることによって心身の回復をし、記憶をしっかりしたものとして留めます。その睡眠が足りないか、よい睡眠になっていないのではないかと思い、特に確信があったわけでも無いのですが、数年前より「早寝早起き」「しっかりと寝ること」を語ってきました。そして、昨年は特にそのことを取り上げて語ってきたのですが、その時に前にご紹介しました「子どもの夜ふかし 脳への脅威」(三池輝久/集英社新書)という本が出ました。急いで買い求め、読んでみて、自分の考えに間違いないことを知りました。そこで私も皆さんにお伝えした方が良いと思って、堂々と語ってきたわけです。
そして、今年になってクローズアップ現代で実に興味深い内容の番組をしてくれたのです。早寝早起きに切り替え、かつ睡眠時間もしっかりと取るという習慣を身につけると不登校が無くなっていったという報告がその中でなされたのです。
つまり、多くの不登校は睡眠が足りなかったり、遅寝が原因だったりしたわけです。このことに取り組んだ学校の先生がいました。睡眠チェックシートを作り、毎日そこに寝ている時間帯を塗りつぶさせました。そして、睡眠と不登校には大きな関係があることを認め、睡眠チェックをもとに生活習慣を適切なものに修正させることで不登校も無くならせることができたのです。
このことを重く見た地域は、地域ぐるみで取り組んでおられます。塾やスポーツクラブなどの習い事を遅くまでさせないようにしておられます。確かに親だけでは取り組みきれないところがあります。学校ぐるみ、地域ぐるみでしていく必要を感じています。
将来に関わる問題
睡眠障害の問題をホームページに「最新の研究では、睡眠リズムの乱れが深刻な病気につながる可能性も分かってきました。 この病院で睡眠障害の子どもの血糖値の変化を調べたところ、4人に1人が糖尿病のリスクが高いという結果が出たのです。」と書いていました。
睡眠時間を減らすこと、遅寝が子どもの将来を大きく左右することを教えているのです。
世の中がどんどん変わり、大人の生活自体が変わりました。昔は仕事は9時~5時で、夕食を家族揃って食べることが普通であったのに、お父さんの帰宅時間がどんどん遅くなり、お父さんは子どもと一緒に夕食を食べるどころか、子どもの寝顔しか見たことが無いという方も多いのです。そして、子どももそういいう大人の時間に合わせられ、夕食の時間が遅くなり、遅くまで起きているようになりました。また、習い事が増え、子ども自身、帰宅時間が遅くなり、寝る時間が遅くなっていったのです。
そして、糖尿病のリスクはじめ様々な病気のリスクを抱えるようになりました。
そればかりではありません。親も子どもも忙しくなったために、ゆっくりと親子で会話する時間、一緒に何かをする時間も減ってきました。家のお手伝いをする子どもも減っています。お手伝いをすることは子どもの頑張り、我慢や、優しさの大きな基礎になります。それが身につかなくなっていくのです。まさに人格的に心配なわけです。子どもの将来が睡眠にかかっているといっても過言では無いのかも知れないですね。
人間は寝るものに造られた
神様は人間を寝るものとされました。「神様はなぜ人間や動物を寝るものとして造られたのだろう?」と不思議に思ったことが何度もあります。「寝る必要がない体に造られていれば、寝ている間の事故、泥棒などもないのに」と思ったものです。
最初の人間アダムが造られ、次にエバが造られましたが、その様子は聖書にこんなふうに書かれています。
人はすべての家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名をつけた。しかし人には、ふさわしい助け手が見つからなかった。
創世記 2:20-22
神である【主】は深い眠りをその人に下されたので、彼は眠った。そして、彼のあばら骨の一つを取り、そのところの肉をふさがれた。
神である【主】は、人から取ったあばら骨をひとりの女に造り上げ、その女を人のところに連れて来られた。
まるで麻酔をかけて深い眠りをあたえて、まるで外科手術のようにあばら骨が取られました。
マリヤの夫になったヨセフは「夢見る人」とも言われ、マリヤがイエスを誕生することも夢で教えられています。
同じヨセフという名前の人物で旧約聖書に出てくるヨセフは夢で神様から将来のことを教えられています。
寝ている時間というのは不思議な時間に思えます。神様は寝ている間に特別なホルモンを多く分泌させて、体の痛んだところ、疲れ、心の疲れ、心の痛みまでも回復させるように計画されたようです。
赤ちゃんは生まれてからもほとんどの時間を寝て過ごすのも、そこにあらゆる成長の基があるようです。
また、記憶に関しても脳は寝ている間に多くの詰め込まれた情報を整理しています。そして、重要なものを深く記憶に留めるように働きます。
こういう「睡眠」をとってみても、人間は実に見事に造られていることがわかります。単なる進化では説明ができません。見事なまでの知恵者である方が直接造ってくださったことを表していると思います。
最後に聖書にこんな言葉があるのを見つけました。
働く者は、少し食べても多く食べても、ここちよく眠る。
伝道者の書 5:12
富む者は、満腹しても、安眠をとどめられる。
子ども達も思いきり遊んだ日はグッスリ眠りますが、ストレスを抱えたまま眠ると安眠できないようです。