やっかいなアレルギー

子育て通信

検査月間

  昨年の5月1日、私は東京医大病院に入院し、2日に三叉神経痛の手術を受けました。あれから1年が経ちました。幸い、あの痛みから解放されて1年が過ぎたことは本当に嬉しいです。13年近く三叉神経痛の痛みとつきあいましたが、痛みの無い生活がこんなに楽だったということを改めて知りました。
  今月、1年後の検査を受けるのですが、頭の検査だけでなく、耳の検査も受けます。術後右耳奥に血液と髄液が溜まって右耳が聞こえなくなったからです(幸い投薬のお陰で1ヶ月くらいで耳は聞こえるようになりました)。
  そして退院後の諸検査で要再検査となった心臓、腎臓、胆のうの検査も続きます。病院と縁の切れない私です。

  なぜこんなにあちこち悪いところがあるのだろう? と思ってしまいますが、ものごころついた頃から医者通いが多かったのを思い出します。しょっちゅう熱を出し、かかりつけ医には「また来たか」と親しくなっていました。小学1年生の時には麻疹(はしか)で41度2分の熱を出したのが最高です。39度、40度はよく出していました。

痒(かゆ)みも辛い

  東京に来て3年で腰椎椎間板ヘルニアの手術もしましたが、あれも恐ろしい痛みでした。身動き取れず、右足が麻痺して、おしっこも出なくなり救急車で運んでもらいました。あの時の痛みもすごかったですが、三叉神経痛とは痛みの種類が違いましたね。
  また、痛みでは無く、痒みですが、長く辛かったのは幼児期から続いているアトピーです。まだアトピーという言葉が無かった時代で、5才くらいの時に大学病院に行き、色々調べられたことを思い出します。そこからどうやらステロイド生活が始まったみたいです。
  シーツや枕カバーには絶えず血が付いていました。夜中にひっかくからです。手袋をして寝たことも何度もありますが、いつの間にか取っているのです。掻きすぎて顔や首、からだが腫れ上がってしまったので治めるためにより強い薬を使うようになりました。ステロイドの飲み薬や注射も度々でした。しばらくは治まるのですが、また繰り返します。ステロイド中毒になっていたのか? なりかけていたのか? 医師には「20才くらいで治るから」と言われたので、成人の日を待ちわびたものです。

金属アレルギー

  しかし、20才を過ぎても一向に治りません。それどころか20才くらいが一番酷かったかも知れません。漢方薬、クロレラ、○○エキス等々、効くと言われるものをどれくらい試したでしょうか? 私にはどれも効きませんでした。結局効くのはステロイドだったのです。
  牧師になっても皮膚科通いは続きました。薬の使い方を学んだり、良い薬が出たこともあってかなりましにはなりました。
  ある日、内科で行った病院にアレルギーに詳しい先生がおられたので、診ていただきました。すると「金属アレルギーだねえ」と言われビックリしたことがあります。それでどうしたかというと、歯医者に行って歯の金属(アマルガム)を全て取ってもらったのです。すると良くなったのですが、数か月でまた、ひどくなり出したのです。アレルギーって本当にわからないなあと思いました。
  でもこのアトピーのお陰でアトピーの子ども達の苦しみがわかります。と言っても辛さは人それぞれですから、わかるなんて言えないかも知れません。

保湿効果

  幸いだったのは10年ほど前でしょうか、ブース記念病院の皮膚科の先生から丁寧に皮膚の保湿の仕方を教わりました。こんなに丁寧に保湿について教えてもらったのは初めてでした。そのおかげでグッと良くなってステロイドもかなり少なくできるようになりました。痒みの無い日はまず無いですが、腫れ上がるほど、血を流すほど掻きむしった時を思うと本当に楽です。

様々なアレルギー

  アレルギーのことでは近年学校給食でも大変気を遣っているようです。様々なアレルギーのために同じ給食を食べることができない子ども達が増えているからです。その子ども達のためにアレルゲンの食材を除去して作ることなども心がけておられますが、誤配もあったり、難しい課題でしょうね。一人だけ弁当持ちとなった子どもがあることを聞いたこともあります。
  アレルギーでも人によって程度の差があります。私の知り合いには卵アレルギーの方、そばアレルギーの方がおられました。アトピーで卵アレルギーの方は卵料理をしたフライパンを洗って、卵を入れない料理をしたのにその料理を食べると酷い反応が出たと聞いています。直接卵がなくてもそんなことになるのを聞いて驚きましたが、そばアレルギーの方からも同じようなことを聞きました。うどんとそばをやっているそば屋でうどんを注文して食べたところ大変なことになったというのです。理由はそばを茹でたお湯でうどんも茹でていたからだそうです。直接そばを食べていなくてもこういうことが起こるので、外食には気を使っておられました。

  私は東京に来て花粉症になりました。簡単なアレルギー検査をしていただくと、スギ花粉、ヒノキ花粉に反応があったのですが、それよりも反応の大きいのが「イネ科の花粉」でした。「周辺に田んぼなんてないのに?」と思ったのですが、先生曰く、「イネ科というのは様々な雑草もイネ科なんですよ」といわれて驚きました。ネットで調べたら、雑草にままあることを知りました。
  幸い、私は食べ物でアレルギー反応が出た経験は無いのですが、卵、そばをはじめ、ピーナッツ、パイナップル、牛乳、小麦粉等々にアレルギーのある方をよく聞きます。
  子どもに勉強アレルギーってあるのでしょうかねえ?(笑)

清潔が問題?

  アトピー改善のためにかつて色々調べて実行してきましたが、そんな中、「現代は寄生虫(回虫)がお腹にいないことでアトピー、花粉症が治りにくい」という話を聞きました。驚きました。この話は腸内環境の問題も挙げられています。
  現代は清潔になりすぎて免疫力が落ちている可能性が高いようです。子どもも泥んこになって遊ぶことが少なくなり、免疫力が低下していると言われています。とは言え、私は子どもの時、とにかく外で遊んでいて毎日泥んこになって帰って来ていました。でもアトピーでした。弟は全くそんな気配も無く、元気でした。何が違うのでしょうね。

漏斗胸

  兄弟での違いと言えば私たち兄弟には胸に大きな違いがありました。私は「漏斗胸(ろうときょう)」といって胸の真ん中がくぼんでいて、父もそうです。でも弟は普通です。大人になってからお医者さんに「手術はしなかったの?」と聞かれて漏斗胸の手術があることを知りました。漏斗胸のために心臓や肺の働きが低下することがあるらしいのです。これがために私の心臓は働きが悪いのでしょうか? 詳しいことはわかりませんが、人それぞれだということを改めて知りました。

  椎間板ヘルニアの痛みと三叉神経痛の痛みは違ったように「痛み」と言っても色々あるようですし、人それぞれで、他の人にはなかなかわかってもらえないのも事実です。また痒みもそうです。アトピーの人はかなりおられますから、お互いにその辛さはわかり合えるのですが、それでも程度の差など色々ですし、何かに反応するアレルギー反応もそれぞれです。
  痛みもかなり長期に渡って経験しましたが、痒みに関しては痒くない日は一日も無かったように思います(もちろん程度の差はあります)。

  聖書にはこんな話があります。

  さて、重い皮膚病を患っている人が、イエスのところに来てひざまずいて願い、「御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」と言った。イエスが深く憐れんで、手を差し伸べてその人に触れ、「よろしい。清くなれ」と言われると、たちまち重い皮膚病は去り、その人は清くなった。
新共同訳聖書 マルコ1:40-42

  私も何度も祈りましたが治りません。三叉神経胃痛は手術で癒されました。
  病気や痛み、痒みが嬉しいわけではないのですが、何かしらイエス様が私のこの状態を知ってくださって「大変だね」と思ってくださっているようで、それだけで嬉しくなります。これを書いている今も痒いですが、嬉しいのです。

子育て通信

Posted by shinnakano