藤井佳子師

ヨセフの生涯

礼拝メッセージ

2021/6/20 礼拝説教
【テーマ】神の計画
【説教題】「ヨセフの生涯」
【テキスト】創世記50:14~21

50:14 ヨセフは父を葬った後、兄弟たち、および、父を葬るために一緒に上って来たすべての者たちとともに、エジプトに戻った。
50:15 ヨセフの兄弟たちは、自分たちの父が死んだのを見たとき、「ヨセフはわれわれを恨んで、われわれが彼に犯したすべての悪に対して、仕返しをするかもしれない」と言った。
50:16 そこで、彼らはヨセフに言い送った。「あなたの父は死ぬ前に命じられました
50:17 『ヨセフにこう言いなさい。おまえの兄弟たちは、実に、おまえに悪いことをしたが、兄弟たちの背きと罪を赦してやりなさい、と。』今、どうか、父の神のしもべたちの背きを赦してください。」ヨセフは彼らのこのことばを聞いて泣いた。
50:18 彼の兄弟たちも来て、彼の前にひれ伏して言った。「ご覧ください。私たちはあなたの奴隷です。」
50:19 ヨセフは言った。「恐れることはありません。どうして、私が神の代わりになることができるでしょうか。
50:20 あなたがたは私に悪を謀りましたが、神はそれを、良いことのための計らいとしてくださいました。それは今日のように、多くの人が生かされるためだったのです。
50:21 ですから、もう恐れることはありません。私は、あなたがたも、あなたがたの子どもたちも養いましょう。」このように、ヨセフは彼らを安心させ、優しく語りかけた。

創世記 50:14~21

ヨセフの夢

ヤコブには12人の息子(後にイスラエルの12部族となる)がおり、ヨセフは11番目で、年寄り子であった。また、最愛の妻ラケルから生まれたため、ヤコブは彼を偏愛した。しかも、ヨセフは正義感が強かったのか、兄たちの悪口を父親に告げたり、またよく夢を見ては、それを誇らしげに話したりしていた。そのため、ヨセフは十人の兄たちから妬まれた。
ヨセフの見た夢の一つは「畑の麦束」の夢(兄弟で畑の麦を束ねていると、兄たちの束がヨセフの束におじぎをした)であり、もう一つは「太陽と月と十一の星」の夢(太陽と月と11の星がヨセフを拝んでいた)だった。

兄たちの隠謀

ヨセフを憎む兄たちは、ついに彼を殺そうと企む。しかし、長男のルベンと次男ユダの計らいでヨセフは殺されることはなかった。そのかわりに、ヨセフはミデヤン人を含むイシュマエル人の隊商に売られ、エジプトに連れて行かれる。彼らはヨセフから剥ぎ取った長服をヤギの血に浸し、それを父ヤコブに見せて、ヨセフは野獣に殺されたと父親を欺いた。これを聞いてヤコブは嘆き悲しんだのだった。

エジプトでの出来事

エジプトでの投獄

エジプトへ行ったヨセフは、ファラオの廷臣であるポティファルの家に召し抱えられる。主がいつもヨセフと共におられ、彼の仕事は成功し、主人ポティファルから高い評価を得る。

【主】がヨセフとともにおられたので、彼は成功する者となり、そのエジプト人の主人の家に住んだ。

創世記 39:2

しかし、ポティファルの妻がヨセフを誘惑しようと企むが、ヨセフに拒絶され、怒った彼女は、逆にヨセフに誘惑されそうになったと嘘をつき、ヨセフは無実の罪で牢獄に捕らえられてしまう。だが、牢獄の中でも主がヨセフと共におられた。

 しかし、【主】はヨセフとともにおられ、彼に恵みを施し、監獄の長の心にかなうようにされた。
 監獄の長は、その監獄にいるすべての囚人をヨセフの手に委ねた。ヨセフは、そこで行われるすべてのことを管理するようになった。)

創世記 39:21-22

ある日、ヨセフは、かつてファラオに仕えていた献酌官の夢を解き明かし、献酌官が再びファラオに仕えるようになると教える。そしてその時には、自分のことを思い出して欲しいと頼む。

エジプトの総理大臣となったヨセフ

こうして、ヨセフの解き明かし通り、献酌官は釈放され再びファラオに仕えるが、献酌官はしばらくヨセフのことは忘れてしまっていた。だが、ファラオが不思議な夢を見た時、誰もその夢を解き明かすことができなかった。そこで、献酌官はヨセフのことを思い出し、ヨセフはファラオの夢を解き明すのだった。夢の解き明かしの前に、彼はこのように語った。

ヨセフはファラオに答えた。「私ではありません。神がファラオの繁栄を知らせてくださるのです。」

創世記 41:16

ヨセフは神の御前にへりくだった者であったことがわかる。
ファラオの見た夢とは、7年の大豊作の後、7年の飢饉がやって来るというものだった。そこで、ヨセフは

 夢が二度ファラオに繰り返されたのは、このことが神によって定められ、神が速やかにこれをなさるからです。
 ですから、今、ファラオは、さとくて知恵のある人を見つけ、その者をエジプトの地の上に置かれますように。

創世記 41:32-33

と語り、豊作の間に穀物を蓄えるように進言する。これを聞いたファラオは驚き、彼を総理大臣として召し抱え、彼に全権を委ねる。異邦人であるファラオから見ても、ヨセフは、神の霊が宿った素晴らしい人物だった。

兄たちとの和解とヤコブ一族のエジプト移住

やがて、ファラオが見た夢の通り、飢饉がエジプトのみならず各地に起こる。ヨセフの父ヤコブ一族が住むカナンの地も同様であった。そこでヤコブは、息子たちに食料調達のためエジプトへ行くよう命じる。兄弟たちは、ヨセフとは知らず、エジプトの大臣に食料を分けてもらえるよう頼む。ここで何度かやりとりがあり、大臣があの時のヨセフであったことが分かり、兄たちと和解する。兄たちとの再会では、最初に見た夢が実現するのである。彼らは、エジプトの総理大臣となったヨセフにひれ伏したのだ。兄たちとの和解の際、ヨセフは

 私をここに売ったことで、今、心を痛めたり自分を責めたりしないでください。神はあなたがたより先に私を遣わし、いのちを救うようにしてくださいました。

創世記 45:5

と、兄たちを赦し、そこには神の素晴らしい計画、すなわち、ヤコブ一族を救うために、自分がこの地に遣わされたのだと語るのである。そして、父ヤコブと共に一族がエジプトに移住することになった。
神の計画はなんと素晴らしいものであろうか。カナンに留まったままでは、ヤコブ一族は死に絶え、彼の子孫である救い主イエス・キリストの誕生も実現することはなかった。なんと、ヨセフは神の救いの計画に用いられたのだった。

結び)
ヨセフは数奇な生涯を歩んだ。
しかし、それは全て神の計画だったのである。
その途上にある時は、なぜ?どうして?と思うことがある。
が、主と共に歩む時、神様の大いなる祝福にあずかることができる。