サウロの回心
2022.6.19 礼拝説教
テーマ:人を変える神の力
説教題:「サウロの回心」
テキスト:使徒の働き9:1~9
9:1 さて、サウロはなおも主の弟子たちを脅かして殺害しようと息巻き、大祭司のところに行って、
使徒の働き 9:1~6
9:2 ダマスコの諸会堂宛ての手紙を求めた。それは、この道の者であれば男でも女でも見つけ出し、縛り上げてエルサレムに引いて来るためであった。
9:3 ところが、サウロが道を進んでダマスコの近くまで来たとき、突然、天からの光が彼の周りを照らした。
9:4 彼は地に倒れて、自分に語りかける声を聞いた。「サウロ、サウロ、なぜわたしを迫害するのか。」
9:5 彼が「主よ、あなたはどなたですか」と言うと、答えがあった。「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。
9:6 立ち上がって、町に入りなさい。そうすれば、あなたがしなければならないことが告げられる。」
9:7 同行していた人たちは、声は聞こえてもだれも見えないので、ものも言えずに立っていた。
9:8 サウロは地面から立ち上がった。しかし、 目を開けていたものの、何も見えなかった。それで人々は彼の手を引いて、ダマスコに連れて行った。
9:9 彼は三日間、目が見えず、食べることも飲むこともしなかった。
キリスト者を迫害するサウロ
回心前、サウロ(=パウロ)は厳格なユダヤ教徒でキリスト者を迫害する者だった。(ガラテヤ1:14 また私は、自分の同胞で同じ世代の多くの人に比べ、はるかにユダヤ教に進んでおり、先祖の伝承に人一倍熱心でした。
) サウロはステパノの殺害に加担する。彼は、エルサレム市内のキリスト者迫害運動で大活躍していた。後年のパウロはこのように語っている。
使徒26:9 実は私自身も、ナザレ人イエスの名に対して、徹底して反対すべきであると考えていました。
使徒の働き 26:10-11
26:10 そして、それをエルサレムで実行しました。祭司長たちから権限を受けた私は、多くの聖徒たちを牢に閉じ込め、彼らが殺されるときには賛成の票を投じました。
26:11 そして、すべての会堂で、何度も彼らに罰を科し、御名を汚すことばを無理やり言わせ、彼らに対する激しい怒りに燃えて、ついには国外の町々にまで彼らを迫害して行きました。
あの大使徒パウロが、御名を汚すことばを無理矢理言わせることまでしていたとは、まったく信じられない。そして、さらにダマスコへと迫害の手を伸ばそうとしたのだが、その途上で不思議な事が起こった。
閉ざされた目
ダマスコへ行く途中、突然天からの光、すなわち神の栄光が彼の周りを照らした。そして、「サウロ、サウロ」と呼ぶ天からの声が聞こえたのだった。この二回繰り返す呼び方は、神が人間に呼びかける形式となっている。このような天から声があった事例は、使徒の働きの他の箇所にも書かれている(7:31 その光景を見たモーセは驚き、それをよく見ようとして近寄ったところ、主の御声が聞こえました。
10:13 そして彼に、「ペテロよ、立ち上がり、屠って食べなさい」という声が聞こえた。
)。しかし、この場合、「わたしは、あなたが迫害しているイエスである。」とあるように、明らかに復活の主イエスが語られたのであった。 激しい迫害者であるサウロにイエスは語りかけた。何という選びであろう。人間的に考えれば、あんなにひどい迫害をしている者がキリスト者になどなるだろうかと思ってしまう。しかし、主はそのような目で見てはいない。サウロの変えられた未来の姿を見ていた。
こうして、サウロの目は閉ざされた。何も見えなくされたということは、サウロの自由が奪われたということである。サウロの行動は自分自身で決定することができなくなった。彼はこの時、すっかり主に捕らわれたのだった。使徒22:10で彼自身が語っている。
私が『主よ、私はどうしたらよいでしょうか』と尋ねると、主は私に言われました。『起き上がって、ダマスコに行きなさい。あなたが行うように定められているすべてのことが、そこであなたに告げられる』と。
使徒の働き 22:10
視力を奪われたサウロはイエスの声を聞き、自分が迫害していたイエスを「主」と呼んだ。彼は瞬時に自分の存在を主に明け渡した。そして、「私はどうしたらよいのでしょうか」と尋ね、これからなすべきことを主から教えていただいたのだった。
劇的な方向転換
9:10 さて、ダマスコにアナニアという名の弟子がいた。主が幻の中で「アナニアよ」と言われたので、彼は「主よ、ここにおります」と答えた。
すると、主はこう言われた。「立って、『まっすぐ』と呼ばれる通りに行き、ユダの家にいるサウロという名のタルソ人を訪ねなさい。彼はそこで祈っています。
使徒の働き 9:11-12
彼は幻の中で、アナニアという名の人が入って来て、自分の上に手を置き、再び見えるようにしてくれるのを見たのです。」
サウロが主にあって生まれ変わるために遣わされた人物はアナニアであった。アナニアはサウロのひどい行いを知っていたので、主の命令に従うことにためらいを感じていた。あのようなサウロが回心するなど、到底信じられなかったのである。しかし主は、
行きなさい。あの人はわたしの名を、異邦人、王たち、イスラエルの子らの前に運ぶ、わたしの選びの器です。9:16 彼がわたしの名のためにどんなに苦しまなければならないかを、わたしは彼に示します。
使徒の働き 9:15-16
と言われ、アナニアは主のことばに従った。アナニアがサウロに手を置いて祈ると、サウロの目からうろこのような物が落ちて、目が見えるようになる。(「目からうろこ」とは、聖書のこの記述から来ている。9:18 するとただちに、サウロの目から鱗のような物が落ちて、目が見えるようになった。
)
180度の劇的回心をしたサウロは、この後宣教を開始する。彼は特に異邦人伝道に用いられた。そして実際に主の名のために苦しみを受けるようになるのである。
結び)
パウロは神によって劇的に変えられた。しかし、自分は違うと思っている方はおられないだろうか。日々神様は私たちをつくりかえておられる。(Ⅱコリント5:17 ですから、だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。)悔い改めとは、方向転換を表している。パウロは主イエスを認めなかったところから、イエスを主、すなわち神と認めた。
古い自分にいつまでも捕らわれていてはならない。神へと方向転換し、新しい自分を見ておられるに主に目を向けよう。
Posted by shinnakano
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