ナアマン将軍のいやし

礼拝メッセージ

2025.4.27礼拝
テーマ: 異邦人の救い
【説教題】ナアマン将軍の癒し
【聖 書】Ⅱ列王記5:1~5、9~16
【説教者】藤井佳子牧師

5:1 アラムの王の軍の長ナアマンは、その主君に重んじられ、尊敬されていた。それは、【主】が以前に、彼を通してアラムに勝利を与えられたからであった。この人は勇士であったが、ツァラアトに冒されていた。
5:2 アラムはかつて略奪に出たとき、イスラエルの地から一人の若い娘を捕らえて来ていた。彼女はナアマンの妻に仕えていた。
5:3 彼女は女主人に言った。「もし、ご主人様がサマリアにいる預言者のところに行かれたら、きっと、その方がご主人様のツァラアトを治してくださるでしょう。」
5:4 そこで、ナアマンはその主君のところに行き、イスラエルの地から来た娘がこれこれのことを言いました、と告げた。
5:5 アラムの王は言った。「行って来なさい。私がイスラエルの王に宛てて手紙を送ろう。」そこで、ナアマンは、銀十タラントと金六千シェケルと晴れ着十着を持って出かけた。
5:9 こうして、ナアマンは馬と戦車でやって来て、エリシャの家の入り口に立った。
5:10 エリシャは、彼に使者を遣わして言った。「ヨルダン川へ行って七回あなたの身を洗いなさい。そうすれば、あなたのからだは元どおりになって、きよくなります。」
5:11 しかしナアマンは激怒して去り、そして言った。「何ということだ。私は、彼がきっと出て来て立ち、彼の神、【主】の名を呼んで、この患部の上で手を動かし、ツァラアトに冒されたこの者を治してくれると思っていた。
5:12 ダマスコの川、アマナやパルパルは、イスラエルのすべての川にまさっているではないか。これらの川で身を洗って、私がきよくなれないというのか。」こうして、彼は憤って帰途についた。
5:13 そのとき、彼のしもべたちが近づいて彼に言った。「わが父よ。難しいことを、あの預言者があなたに命じたのでしたら、あなたはきっとそれをなさったのではありませんか。あの人は『身を洗ってきよくなりなさい』と言っただけではありませんか。」
5:14 そこで、ナアマンは下って行き、神の人が言ったとおりに、ヨルダン川に七回身を浸した。すると彼のからだは元どおりになって、幼子のからだのようになり、きよくなった。
5:15 ナアマンはその一行の者すべてを連れて神の人のところに引き返して来て、彼の前に立って言った。「私は今、イスラエルのほか、全世界のどこにも神はおられないことを知りました。どうか今、あなたのしもべからの贈り物を受け取ってください。」
5:16 神の人は言った。「私が仕えている【主】は生きておられます。私は決して受け取りません。」ナアマンは、受け取らせようとしてしきりに勧めたが、神の人は断った。
Ⅱ列王記5:1~5,9~16

アアラムの将軍ナアマン

ナアマンは、アラム(シリア)の王に仕える将軍であり、王に重用されていた。彼は地位も名誉も力もあるりっぱな人物であった。だが、彼はツァラアト(重い皮膚病)に侵されていた。この病は彼を四六時中悩ませたに違いない。そのような主人を見ていた使用人の娘は、ナアマンの妻に進言する。彼女は、イスラエルから連れて来られて、ナアマンの妻に仕えていた。彼女は、捕らわれ人であり、何の力もない無名の娘である。が、真の神によって用いられている預言者を知っていた。ナアマンは預言者エリシャのことを聞き、わらにもすがる思いでエリシャを訪ねる決心をする。

ナアマンのいやし

ナアマンのプライド

しもべを従えて、りっぱな馬と戦車でやって来たナアマンであったが、エリシャは直接彼を出迎えることをしなかった。エリシャの代わりに出てきたしもべは、ヨルダン川に7回身を浸すことを伝える。ナアマンは、直接エリシャが彼を迎えて、いやしのために祈ってくれることを願っていた。ナアマンの期待はすべて裏切られ、彼は怒りをあらわにした。そして、さらにナアマンを怒らせたのは、小さくて汚いヨルダン川に身を浸すことであった。だが、いやしは主が成してくださるものであり、形式や場所ではなく、そこにナアマンの信仰が伴うか否かなのである。プライドや自己の信念、こだわりなどは、時として神の御業を邪魔するものとなる。プライドを傷つけられたナアマンは、激怒して帰途につく。

プライドを捨てて従う

しかし、しもべたちはナアマンを引き留める。彼らが言ったのは、「難しいことなら喜んでするのに、簡単なことだとどうしてできないのか」ということだった。ナアマンがどんなに難しいことをしても、人間的な行為にいやしはない。いやしは簡単なことではなく、そこに神の力が必要である。ただ、それが実現するためには、ナアマンが全てのプライドを捨てて、神の力を信じ、ただ従うことだった。私たちも自分の都合に合わせて御言葉を解釈し、神のみ旨とは全く違った行いをしてはいないだろうか。このナアマンのように、自分を捨てて、ただ神の御言葉に従う者でありたい。

異教の世界で

5:17 そこでナアマンは言った。「それなら、どうか二頭のらばに載せるだけの土をしもべに与えてください。しもべはこれからはもう、【主】以外のほかの神々に全焼のささげ物やいけにえを献げません。
5:18 どうか、【主】が次のことについてしもべをお赦しくださいますように。私の主君がリンモンの神殿に入って、そこでひれ伏すために私の手を頼みにします。それで私もリンモンの神殿でひれ伏します。私がリンモンの神殿でひれ伏すとき、どうか、【主】がこの
ことについてしもべをお赦しくださいますように。」
真の神を信じたナアマンは、イスラエルの土を持って帰る事を願った。それは、そこに御利益があるなどという意味ではなく、真の神にのみ祭壇を築いて礼拝をささげるためだった。彼が帰る地は、異教の神リンモンを崇拝している。だが、彼には異教の神に対しての信仰はすでになかったのだった。

結び)

ナアマンは、地位も名誉も力もあるりっぱな人物であった。しかし彼は異邦人であり、真の神を知らなかった。そんな彼を、神は一人のイスラエルの娘を通して、エリシャの元へ導いた。ナアマンはプライドを捨て、エリシャの言葉に従った。そこに神のいやしの業が行われ、ナアマンは真の神を信じる者になった。私たち異邦人にも、神は救いの御手を伸べておられることに心から感謝したい。