二人の気づかなかった祝福

礼拝メッセージ

2025/7/20 礼拝説教
【テーマ】  祝福の神・イエス
【説教題】 「二人の気づかなかった祝福」
【聖書箇所】 ヨハネ2:1-11
【説教者】藤井敬朗

2:1 それから三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があり、そこにイエスの母がいた。
2:2 イエスも弟子たちも、その婚礼に招かれていた。
2:3 ぶどう酒がなくなると、母はイエスに向かって「ぶどう酒がありません」と言った。
2:4 すると、イエスは母に言われた。「女の方、あなたはわたしと何の関係がありますか。わたしの時はまだ来ていません。」
2:5 母は給仕の者たちに言った。「あの方が言われることは、何でもしてください。」
2:6 そこには、ユダヤ人のきよめのしきたりによって、石の水がめが六つ置いてあった。それぞれ、二あるいは三メトレテス入りのものであった。
2:7 イエスは給仕の者たちに言われた。「水がめを水でいっぱいにしなさい。」彼らは水がめを縁までいっぱいにした。
2:8 イエスは彼らに言われた。「さあ、それを汲んで、宴会の世話役のところに持って行きなさい。」彼らは持って行った。
2:9 宴会の世話役は、すでにぶどう酒になっていたその水を味見した。汲んだ給仕の者たちはそれがどこから来たのかを知っていたが、世話役は知らなかった。それで、花婿を呼んで、
2:10 こう言った。「みな、初めに良いぶどう酒を出して、酔いが回ったころに悪いのを出すものだが、あなたは良いぶどう酒を今まで取っておきました。」
2:11 イエスはこれを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行い、ご自分の栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。
ヨハネ2:1-11

○ イエス時代のユダヤでは両親によって二人の結婚を決め、婚姻までは数年から10年ほどあったと言います。そして晴れて結婚となり、その披露宴には友人達を招いて1週間くらい続くこともあったそうです。そのような背景で、今日の聖書箇所を見ていきます。

二人の気づかなかった祝福

最初の奇跡

水をぶどう酒に変えたイエス

    1. 2:1 それから三日目に、ガリラヤのカナで婚礼があり、そこにイエスの母がいた。 とありますが、 2:1 それから三日目に というのは、30才のイエスが突然活動を開始して、弟子を集め始めていたのですが、数名の弟子を集めた、それから三日目 で、母マリアも共に婚礼に招かれてカナという町に行った時の話です。

    2.時に一週間も続く披露宴で、思いがけず多くの来客があったのでしょう。用意していたぶどう酒が無くなってしまいました。母マリアはそのことに気付き、イエスに 「ぶどう酒がありません」 と伝えました。さらにマリアは給仕する人たちに 「あの方が言われることは、何でもしてください。」 と伝えました。

    3.すると、イエスは給仕の人に 「水がめを水でいっぱいにしなさい。」 と言い、給仕の人たちは6つの大きな水がめに水を満たしました。次に 「さあ、それを汲んで、宴会の世話役のところに持って行きなさい。」 と。給仕たちは「なぜ、水をもっていくのか?」と不思議な思いで水を汲み上げたと思います。ところが、汲み上げたのは水ではなく、良質のぶどう酒に変わっているではありませんか。

弟子達はイエスを信じた

    1.まさに何かの昔話みたいな話に聞こえます。しかし、これが事実であり、その後もイエスは病人を癒したり、湖の上を歩いたり、嵐を静めたり、わずかのパンを祝福して一万人以上いたと思われる人々が満腹するだけのパンに増やしたりとあまりにも不思議なことを多々行われました。

    2.イエスに関してこんな記述がありました。

      ユダヤ教のラビ達が書いた文章で紀元32年のサンヘドリンの公式記録には、「イエスは魔術師であった」とあるそうです(これからもイエスが実在の人物であったことは確か)。

    3. 2:11 イエスはこれを最初のしるしとしてガリラヤのカナで行い、ご自分の栄光を現された。それで、弟子たちはイエスを信じた。 と、弟子になりたての人たちもこの奇跡を見てイエスを信じたというのです。でも、この時点で信じたのはイエスが罪からの救い主だと言うことではありませんでした。

二人は知らなかった

給仕の者しか知らなかった話

    1.この婚礼の裏側で行われたことは婚礼の主人公である若い新婚カップル二人にはわかっていませんでした。 汲んだ給仕の者たちはそれがどこから来たのかを知っていたが、世話役は知らなかった。 と、水がめに水を入れた給仕の者達だけが知っていたのです。彼らは驚いたでしょう。何しろ、空の水がめに水を満たしたのは自分たちで、それが水だったことははっきりわかっています。それがすぐにぶどう酒に変わっているのを体験したのですから。この人たちもきっと、イエスが十字架にかかり復活した後、教会のメンバーになっていたと思います。そして、この奇跡をみんなに語ったでしょう。

    2.そして、披露宴の世話役もこの奇跡のことはわかっていなかったので 2:9 宴会の世話役は、すでにぶどう酒になっていたその水を味見した。・・・それで、花婿を呼んで、こう言った。「みな、初めに良いぶどう酒を出して、酔いが回ったころに悪いのを出すものだが、あなたは良いぶどう酒を今まで取っておきました。」 と花婿をほめました。花婿もその話はよくわからなかったでしょう。でもほめられて嬉しかったのは間違いないと思います。

    3.イエスは「私がしてやった」とは言われませんでしたので、花婿はメンツが保たれましたし、世話役がほめてくれたので花婿の株はぐんと上がりました。当事者の花婿も花嫁もイエスのしてくれたことを知りませんでした。しかし、イエスは彼らを祝福されたのです。

そっと働かれる神

    1.私はイエスという方はこういう見えないところで私たちの株を上げてくださる方だと思うのです。2000年も前に現れたイエスは十字架でわたしたちの罪の身代わりになって死なれ、三日目に復活されたという話は有名で多くの方に知られています。

    2.しかし、私たちもイエスをよく知らないかと思います。一方、イエスは私達のことをよく知っておられるのです。そして、私たちの周りで時には水をぶどう酒に変えて祝福してくださっているのです。でも、私たちはそれを知らないことが多いものなのです。

マリアの信仰

「イエスにはできる」という信仰

    1.マリアはイエスの母で、天使からイエス誕生のことを聞いた唯一の女性です。マリアの生んだイエスが神の子だとわからない周りの人々は色々うわさしましたからマリアは辛かったと思います。でも、そのことを信じたヨセフのお陰で二人は幸せな結婚ができました。このヨセフとマリアの夫婦だけが真実を知っていたのですが、ナザレの町で誠実な生き方をした二人は町の人々にも愛されたようです。

    2.マリアは今回、この若い二人の婚礼に招かれたとき、イエスの誕生のことで結婚式も披露宴もまともにできなかったことを思い出したのではないでしょうか? そういうことを思いながらこの祝宴を祝福したかったのだと思います。ですから、ぶどう酒が切れるという大変な時、マリヤの頭に浮かんだのは「イエスならできる」でした。「イエスは祝福してくれる」と信じたのです。

知らないところで支えられている

    1.この披露宴の祝福はマリアのイエスに対する信仰によって与えられたとも言えます。彼らの知らないところで信仰の働きをなしたマリアのように、多くのカップルも知らないところで色々な支えをしてくれた両親、親族、友人の支えがあったはずです。そしてそうした方々の祈りに応えて神は祝福をしてくださっているのです。

    2.私たちの人生にも色々なことがあります。夫婦二人で解決できることばかりではないでしょう。教会のメンバーみんなで考えても解決できないことも多々あります。しかし、「イエスにはできる」というマリアの信仰は私たちも持つことができます。

● 今日、婚約式をされるお二人に、私はお二人が互いに信頼し続けることはもちろん願いますが、その信頼の基をマリアのように「イエス・キリストにはできる」という信仰に置いていただきたいのです。イエス・キリストはお二人の決意を守り、絶対に祝福される方だからです。

★ イエス・キリストは私たちを祝福される方です。だから私たちもイエス・キリストを愛するのです。