あなたに起こったことを知らせなさい
2025/11/16 礼拝説教
【テーマ】 聖霊の支配
【説教題】 「あなたに起こったことを知らせなさい」
【聖書箇所】 マルコ5:11-20
【説教者】藤井敬朗牧師
5:11 ところで、そこの山腹では、おびただしい豚の群れが飼われていた。
5:12 彼らはイエスに懇願して言った。「私たちが豚に入れるように、豚の中に送ってください。」
5:13 イエスはそれを許された。そこで、汚れた霊どもは出て行って豚に入った。すると、二千匹ほどの豚の群れが崖を下って湖へなだれ込み、その湖でおぼれて死んだ。
5:14 豚を飼っていた人たちは逃げ出して、町や里でこのことを伝えた。人々は、何が起こったのかを見ようとやって来た。
5:15 そしてイエスのところに来ると、悪霊につかれていた人、すなわち、レギオンを宿していた人が服を着て、正気に返って座っているのを見て、恐ろしくなった。
5:16 見ていた人たちは、悪霊につかれていた人に起こったことや豚のことを、人々に詳しく話して聞かせた。
5:17 すると人々はイエスに、この地方から出て行ってほしいと懇願した。
5:18 イエスが舟に乗ろうとされると、悪霊につかれていた人がお供させてほしいとイエスに願った。
5:19 しかし、イエスはお許しにならず、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰りなさい。そして、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを知らせなさい。」
5:20 それで彼は立ち去り、イエスが自分にどれほど大きなことをしてくださったかを、デカポリス地方で言い広め始めた。人々はみな驚いた。
マルコ5:11-20
○ 10月26日の礼拝で語った所の続きになるのですが、ゲラサ人の地で悪霊につかれた人の話です。今日のところは彼から悪霊が追い出される場面です。2000匹の豚が崖から湖になだれ込んで行ったという壮絶な状況です。
湖に消えた豚
イエスによって大損害
1.鳥インフルエンザで何万羽も鶏が処分された話を聞くとかわいそうになります。同時に養鶏業者の大損害を思うと辛くなります。今日のテキストでは豚が2000匹も湖になだれ込んで死んでいます。豚を飼っていた人たちはイエスを恨んでいます。
2.それと悪霊は豚や動物にも取り憑くのかという疑問があります。 5:12 彼らはイエスに懇願して言った。「私たちが豚に入れるように、豚の中に送ってください。」 と言っていることから見ると悪霊が動物に憑くことがあるのかも知れません。
その人から悪霊は離れた
1.一方、豚が死ぬことで悪霊につかれた男性は新しい人生をいただいたのです。自分に取り憑いていた沢山の悪霊が、豚の群れが湖に沈んだことで悪霊は完全に自分から消えたことを確信したことでしょう。そのためにイエスは豚を用いられたのかもしれません。とすれば豚も豚の飼い主も神様に用いられたと言えます。
2.本来この人も神に似せて造られた存在です。しかし、悪霊が彼をコントロールしてしまうようになっていました。ギャンブル、薬物、アルコールなどに依存する依存症のようで、自分でコントロールできないのです。しかし、彼からはその悪霊が出て行ったので、自分をコントロールできるようになったのです。そしてイエスが望まれるのは聖霊に満たされることです。
この地を出て行ってくれ
驚きの景色
1.この人が救われたのにゲラサの人々は喜べませんでした。 5:14 豚を飼っていた人たちは逃げ出して、町や里でこのことを伝えた。人々は、何が起こったのかを見ようとやって来た。5:15 そしてイエスのところに来ると、悪霊につかれていた人、すなわち、レギオンを宿していた人が服を着て、正気に返って座っているのを見て、恐ろしくなった。 大変なことが起こったことに恐怖を感じたようです。それほどイエスのなさったことは不可思議だったのです。
2.人々が見たのは湖に溺れ死んだ2000匹の豚ですから、それは恐ろしかったでしょう。さらに、彼らの見たのはあの騒々しかった男が 服を着て、正気に返って座っている 姿でした。
悪霊を追い出したイエスを追い出した
1.悪霊に憑かれた人を癒したイエスに「出て行ってほしい」と言うのです。ただ、人々もこの時は豚の出来事で頭がいっぱいだったのではないかと思います。事態が冷静になってくるとあの悪霊につかれていた人が正常に戻っているのを喜んだと思います。
2.とは言え、こんなすごいことをなさったイエスをそのまま迎え入れていたら、他の病人達もみんな癒やされたかも知れません。イエスを追い出すということは神の恵みを拒否するようなものです。
お供をしたい
残るように言われたイエス
1.悪霊を追い出してもらった彼はイエスに着いて行きたいと言いましたが、 5:19 しかし、イエスはお許しにならず、彼にこう言われた。「あなたの家、あなたの家族のところに帰りなさい。そして、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを知らせなさい。」 と、その地に留まって、自分の身に起こったことを証しするように言われました。
2.イエスは別の所ではご自分のなさったことを人には言わないように命じておられていますが、ここでは「知らせなさい」と言われました。「出て行ってくれ」と言った人々のところからこの人まで出て行ったら、イエスの事が忘れ去られるかもしれません。しかし、彼が残ることでゲラサに救いの道が開けるのです。
彼は言い広めた
1.イエスの弟子として着いて行きたいと言うのだから認めてあげればと思いましたが、まだイエスには十字架という大事な場面が残っています。そして、その後、イエス無しで弟子達はあちこちに出て行って福音を語り、教会をつくります。
2. 5:20 それで彼は立ち去り、イエスが自分にどれほど大きなことをしてくださったかを、デカポリス地方で言い広め始めた。人々はみな驚いた。 と、彼は自分の本来の場所に戻ります。そして、彼を避けていた人々に受け入れられ、彼は自分に起こった出来事を言い広めました。それで、イエスの救いの土台作りができたのでしょう。「言い広める」は「宣教」「説教」です。
● この悪霊につかれた人を「自分」だと考える人はまずいないでしょう。自分はこの男と違って正気だと思っているでしょう。しかし、ある神学者がふと「この男が自分だ!」と気づいたのです。「イエスによって救ってもらわなかったら、自分は正気を失ったままだった。悪の虜になっていつまでも苦しんでいたことだろう」と。この悪霊につかれた男がイエスに駆けよって、イエスに悪霊を負いだしていただいたお陰で、悪霊の支配から聖霊の支配に人生が変わったように、神学者もイエスによって救っていただいき、聖霊の支配下に置かれたので、今の自分があることを感謝しました。彼は福音を語る者になったことを感謝したのです。
★ 主は私達にも 「あなたの家、あなたの家族のところに帰りなさい。そして、主があなたに、どんなに大きなことをしてくださったか、どんなにあわれんでくださったかを知らせなさい。」 と言われているのではないでしょうか。それは、私達も聖霊の支配下に置かれるようになったからです。福音を語る者になったことを感謝しようではありませんか。
Posted by shinnakano
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