なぜ、こんな人が選ばれる?
説教者:藤井敬朗牧師
2023/7/9 礼拝説教
【テーマ】 神のあわれみ
【説教題】 「なぜ、こんな人が選ばれる?」
【聖書箇所】 士師記16:22-31
16:22 しかし、サムソンの髪の毛は、剃り落とされてからまた伸び始めた。
士師記16:22-3
16:23 さて、ペリシテ人の領主たちは、自分たちの神ダゴンに盛大ないけにえを献げて楽しもうと集まり、そして言った。「われわれの神は、敵サムソンをわれわれの手に渡してくださった。」
16:24 民はサムソンを見たとき、自分たちの神をほめたたえて言った。「われわれの神は、われわれの敵を、われわれの手に渡してくださった。この国を荒らして、われわれ大勢を殺した者を。」
16:25 彼らは上機嫌になったとき、「サムソンを呼んで来い。見せ物にしよう」と言って、サムソンを牢から呼び出した。彼は彼らの前で笑いものになった。彼らがサムソンを柱の間に立たせたとき、
16:26 サムソンは自分の手を固く握っている若者に言った。「私の手を放して、この神殿を支えている柱にさわらせ、それに寄りかからせてくれ。」
16:27 神殿は男や女でいっぱいであった。ペリシテ人の領主たちもみなそこにいた。屋上にも約三千人の男女がいて、見せ物にされたサムソンを見ていた。
16:28 サムソンは【主】を呼び求めて言った。「【神】、主よ、どうか私を心に留めてください。ああ神よ、どうか、もう一度だけ私を強めてください。私の二つの目のために、一度にペリシテ人に復讐したいのです。」
16:29 サムソンは、神殿を支えている二本の中柱を探り当て、一本に右手を、もう一本に左手を当てて、それで自らを支えた。
16:30 サムソンは、「ペリシテ人と一緒に死のう」と言って、力を込めてそれを押し広げた。すると神殿は、その中にいた領主たちとすべての民の上に落ちた。こうして、サムソンが死ぬときに殺した者は、彼が生きている間に殺した者よりも多かった。
16:31 彼の身内の者や父の家の者たちがみな下って来て、彼を引き取り、ツォルアとエシュタオルの間にある父マノアの墓に運び上げて葬った。サムソンは二十年間イスラエルをさばいた。
○ 皆さんは「なぜ、こんな人がクリスチャンなんだろう?」と思ったことはありませんか? 私はクリスチャンになりたての頃、私の周りにはとてもクリスチャンらしい方々(?)がおられました。ところが、他の教会との合同のキャンプがあったとき、そこに行くと「えっ、この人もクリスチャン」と思うような人と出会いました(今なら何ともないのですよ)。ちょっと価値観が変わったときでした。神は色々な人を用いられるようですね。そういう意味では聖書を読んでいて「サムソンみたいな人がなぜ士師なのだろうか?」と思った人も多いのではないでしょうか?
サムソンという人
ナジル人だったサムソン
1.サムソンは誕生前から「ナジル人」という神に聖別された人でした。ナジル人はぶどうを食べず、ぶどう汁も飲まないこと、汚れたもの、特に死体に触れないこと、髪の毛を切らないことの3つの誓いを守る必要がありました。しかし、彼はこれらの誓いを破り、神の祝福を失うような生活をしました。(士師記14章)
2.サムソンはサムソナイトという強いカバンの名前に使われるように強い人でした。当時、ペリシテ人がイスラエルを支配していたのですが、この強いサムソンによってなんとか守られてきたのです。問題の多い人ですが、神に用いられているのです。
女性に弱いサムソン
1.有名な「サムソンとデリラ」のデリラという女性。ペリシテ人から高額の賄賂をもらってサムソンの弱点を探り出そうとするデリラに「髪の毛を切ると力が無くなる」ことを語ってしまい、サムソンは寝ている間に髪の毛を切られてしまいました。目覚めてペリシテ人に対して一暴れしようとしたものの、力が出なくて捕まえられてしまいます。
2.彼は目をえぐられ、牢獄生活を強いられましたが、その間に彼は悔い改めるのです。そして、髪の毛が伸びてきました。ある日、ペリシテ人はサムソンを見せ物にしようとして大勢集まっている神殿に呼び出しました。そこで、サムソンは柱を倒して神殿を崩し、ペリシテ人をやっつけ自分も死んでしまいました。 サムソンは二十年間イスラエルをさばいた。 とあるように彼は士師だったのです。
神が選ぶ人
力の強い人を神は用いるのか?
1.最初にも申しましたが、「なぜこんな人が神に用いられるのか?」と思う代表者のようなサムソンです。彼以外にイスラエルを守れる人がいなかったのでしょうか? それとも神はただただ力の強い人を用いるのでしょうか?
2.12人の士師の最後のサムソンですが、12人の中には女性もいます。勇士と思っていなかったギデオンもいます。神が用いられるのは何も力のある人だけではありません。
イエスが選んだ弟子達
1.イエスが弟子とした人達を見てみましょう。こちらも12人ですね。ペテロ (シモン) ,ゼベダイの子ヤコブ,ヨハネ,アンデレ,ピリポ,バルトロマイ,マタイ,トマス,アルパヨの子ヤコブ,タダイ (ユダ) ,熱心党のシモン,イスカリオテのユダの12人です。学問のない漁師達、おっちょこちょいとも言われるペテロ、取税人もマタイもいます。その上、裏切り者と言われるユダもいるのです。どうしてユダもいるのでしょうか? どうして、この人たちが弟子に選ばれたのでしょうか?
2.その後、迫害者パウロが選ばれています。「どうして?」と思うような弟子達がたくさんいます。また、イエスの活動中には嫌われ者のザアカイのところにも行かれました。
神はあわれみ深い方
見捨てない神
1.サムソンのような人が選ばれ、イエスの弟子達のような人が選ばれるのはなぜかと思いますが、同時に私達も選んでいただいたのです。それを思うと、神のあわれみ深さを感じます。
2.全世界の全ての人を救うためにイスラエルを選ばれましたが、決して立派にその仕事を果たしたわけではありません。しかし、神はそのイスラエルを見捨てられませんでした。
私達は神のあわれみで用いられている
1.ギデオンの時と同じように「なぜこんな私が神に選ばれるのか?」と思うようなことがあるかと思います。神のあわれみ以外、なにものでもありません。
2.神は全世界の全ての人を救いたいのです。そのために人を用いられます。最初にアブラハムを選ばれたように私達も選ばれたのです。
● 関西の北摂地域の10いくつかの教会が合同でイースター大会(伝道集会)を毎年開いているのですが、ある年ミッションバラバの方々をお呼びしました。ヤクザからクリスチャンになり、ある方は牧師になっておられるのですが、その方々の証は壮絶でした。そして、「私達だから救われる人がいるんです。だから命はって伝道しています。」といわれた言葉には会衆一同背筋が伸びました。
ミッションバラバの金沢泰裕(元・山口組系組員、現・イエス教日本世界宣教会弟子教会牧師、2007年よりミッション・バラバ代表)先生には高槻キリスト教会に来ていただいたことがあります。奥様の真剣な祈りと命がけの働きかけで金沢先生は救われ、ヤクザから足を洗い、牧師になられました。消すことのできない刺青ですが、神様は金沢先生の罪は完全に消し去ってくださったのです。その喜びで伝道されていました。
★ 「なぜ、こんなサムソンが選ばれる?」「なぜ、こんな人が選ばれる?」「なぜ、こんな私が選ばれる?」神様のあわれみです。そして、誰かの救いのために選ばれているのです。
Posted by shinnakano