子育てを助ける知識
教育界も変化している
前回、私がいつからか子どもが好きになったという話をし、その流れに障がいを持った子ども達との出会いを書きました。障がいを持つ子ども達との出会いが、私にさらに子どもを好きにさせるのです。
現代は支援学校、支援学級という呼び方で支援という見方が強くなっていますが、私が大学に入った時は、私の研究室の名前は「特殊教育研究室」という名前だったのです。ところが、1年後には「障害児教育研究室」という名前に変わりました。卒業すると確か「養護教育研究室」になっていたと思います。というのも、障がいをもつ子ども達に対する差別が問題であって、「障害児学級」という名前は差別的だと言われたので、「養護学級」という呼び名になり、現在は「支援学級」となったのです。そうした呼び名にも大きな変遷のある教育部門なので、まだまだ変化する可能性があると思います。
どの教師にも必要な学び
私は大学で障害児教育(当時の呼び名でいきます)を学ぶことがとても私の人生にとって役に立っているわけですが、その当時、学校の先生になるためにこうした障害児教育の単位を必要としませんでした。しかし、私たちのように養護学校などに就職を希望する者はかなりの単位数を必要としたのです。
この学びをするうち、私たち学生は教師になるのに、こうした学びをしないで教師になって良いのだろうかとさえ思うようになりました。
聴講の先生方から
その理由の一つとして、現役の小学校の先生方4名が週に一日だけ聴講に来られるようになったことが挙げられます。
その先生方は勤務先の学校で障害児学級を担当することになり、どうしても学んでおく必要が出てきたのです。そこで、週1日だけですが、私たちと共に学ばれるようになったのです。
さすが現役の先生だけあって、子どものことをすごく良くわかっておられました。同時に先生方が出会っている障がい児にどのように教育すると良いのか、彼らがどのような状態にあるのかを知ろうと真剣でした。それが私たちにとってはとても刺激的で、私たちも真剣にならざるを得ませんでした。
こうしたことを体験して、たとえ普通学級を担当するにしても、教師になる者は皆障がい児教育を学ぶことが必要だと感じたのです。そのことは教授達にも伝わり、私たちの教授が教授会で出してくださったのです。私たちが卒業してからどうやらそれが実現したようです。
必要と感じること
私たちが必要と感じたというのはどのようなものかというと、子どもの発達、そして発達に遅れのある子ども達に対する配慮がでした。これは教師だけでなく、一般的にも知っておくと良いことだと思っています。それは単に教育というだけでなく、人間としての「愛」の問題だからです。
お母さん方、お父さん方が初めて我が子を抱いて、どのように育てて良いのか悩まれると思います。そのためにも子どもの発達を少しでも知っているとかなり楽になります。
中学、高校、大学と色々な学問的なことは学ばされますが、「結婚」「家庭」「子育て」ということを教えてくれるところはそうはないと思います。ですから結婚してから夫婦の問題を感じて「夫婦カウンセリング」に通う方々も多々あります。
私は聖書を通して「結婚」「夫婦」「家庭」「子育て」をお伝えしたいと思い、望まれる方にはお話してきました。
思い出の結婚講座
思い出に残る講座が25年ほど前にありました。前任教会で若い人たちが増えたため、月1回だけの結婚講座を開きました。毎月10数名の青年男女が出席してくれて、1年半ほど続きました。ある月のテーマで大変おもしろかったのが、「男性の心理」「女性の心理」でした。お互いに異性の心理を理解していなかったので、その時のディスカッションは燃えました。お互いに驚いたり、恥ずかしがったりしているのです。でもそのお陰で結婚した人たちからも、その時の内容がとても良かったということを何人もから聞きました。知っておくだけでもその後の夫婦生活において大きく違いが出てくるのです。
前もって知っておくと
恋愛して仲良くて、結婚しても何の問題も無いと思っているのですが、いざ結婚するとお互い、考え方、感じ方、好き嫌い、興味、色々なことの違いにぶつかるのです。その時のために前もって学んでおくと実際に役に立つのです。
教師も実践の場に出て、子どもの発達や障がいについて知っているといないとでは教育にも生徒指導にも大きな差が出てくるわけです。
子育ても同様だと思います。子どもが生まれて突然「大変だ!」となるのですが、少しでも知っていると「安心感」が全く違います。
「反抗期」がおもしろい
私にとってとてもよかったのは「子どもの発達段階」の学びでした。「第二反抗期」に関心があった私は大学時代に中学生にアンケートのとって中学生時代の心理などを調べていたのですが、反抗期と思春期の関わりなどが大変おもしろかったのです。
私は発達の遅れている子どもは思春期に「反抗期」が無いのではないかと思ったので、人為的に「反抗期」を引き起こすことができないかと考えました。人為的にでも「反抗期」を起こすことができれば、発達も早まるのではないか、大人になれるのではないかと考えたからなのです。今思うと無謀なことを考えたものだと思います。しかし、そのために。その時はどうして「反抗期」が起こるのか等々相当調べましたので後のためにはとても良かったと思っています。
第一反抗期と第二反抗期
牧師になって、30年ほど前に子育ての会を始めた頃、思春期の話よりも、赤ちゃんから幼児の話をしなければならなくなり、今度は赤ちゃんの発達などを調べ始めました。すると、「第一反抗期」が気になってきたのです。そこで「第一反抗期」を中心に調べていくうちに、「第一反抗期」と「第二反抗期」の大事な繋がりに気づきました。簡単に言うと「第一反抗期」を上手に乗り越えることで「第二反抗期」も大体において上手く乗り越えられることを知ったのです。
すごすぎる人間の造り
そして、私は感動したのです。神様は何と人間を美しく造っておられるのだろうかと。神無しに勝手にこのような美しい人間が出来るわけがないのです。「目」を研究した学者がそのすごさに神の存在を認めざるを得ないと言ったそうです。例えば、目の構造を見ても高級カメラのレンズどころではない、距離合わせ、絞りなどすごいのです。そして、網膜に映像が映されるのですが、それは写真機と同じように逆さまに映っています。その映像を今度は神経が電気信号にして脳に伝え、脳はその映像を正しく上下を入れ替えて把握させるのです。こんな事を言って体の全てを語るといつまでも語ることになると思います。
このように体が成長していくのも感動するような造りなのですが、精神的発達についてもすごすぎるのです。
このように驚くほど精密で、美しい人間・子どもを育てていくという「子育て」「教育」というのはすごく尊い仕事だと感じたのです。
イエス・キリストがすごい
このためにも聖書を知ることはとても大事なことだと思っています。聖書から、ただ知識を得るのではなく、聖書の中心におられるイエス・キリストを知っていくことが大事なのです。
イエス・キリストが私たちを愛しておられることを知ることは、「愛」の始まりだと思っています。
このイエス・キリストの愛を受けることで子育ても変わってきます。楽しい子育てができるようにお祈りいたします。