苦闘を乗り越える秘訣
説教者:八木原知宏師
2024/4/14
【説教題】 「苦闘を乗り越える秘訣」
【聖書箇所】 ピリピ人への手紙2:5ー11
2:5 キリスト・イエスのうちにあるこの思いを、あなたがたの間でも抱きなさい。
ピリピ人への手紙2:5ー11
2:6 キリストは、神の御姿であられるのに、神としてのあり方を捨てられないとは考えず、
2:7 ご自分を空しくして、しもべの姿をとり、人間と同じようになられました。人としての姿をもって現れ、
2:8 自らを低くして、死にまで、それも十字架の死にまで従われました。
2:9 それゆえ神は、この方を高く上げて、すべての名にまさる名を与えられました。
2:10 それは、イエスの名によって、天にあるもの、地にあるもの、地の下にあるもののすべてが膝をかがめ、
2:11 すべての舌が「イエス・キリストは主です」と告白して、父なる神に栄光を帰するためです。
今日はイエス様の十字架と復活がわたし達の生活に深く関係していることを知ることができる箇所となっています。ここから共に「福音を実践する」ことの励ましを受けましょう!
ピリピ人への手紙
パウロがピリピの街へ送った手紙(ピリピ人への手紙)は、「喜び」がテーマになっている手紙だと考えられています。先日の箇所(ピリピ人への手紙1:3-6)で強調されたのは福音による関係でした。ピリピに住む人々はキリストを信じたことでパウロと繋がる教会となりました。その関係をパウロは「喜び」という言葉を通して表現しました。その関係の詳細は➀祈れる関係と②宣教によって繋がる関係でした。イエス様の十字架と復活による救い(福音)は、個人を救うだけではなく、私たち教会に「繋がり」をも与えてくれました。
苦闘すること(文脈の説明)
讃美を入れた理由
パウロはピリピ教会との関係を「喜び」をもって表現した後には、自分の願いをもってピリピ教会に対する想いを語りました(1:20)。そして、今日の箇所(2:6-11)へと移ります。今日の箇所は、当時様々な教会で歌われていた讃美だったようです。パウロがここで讃美を入れた理由は、福音にふさわしく生活することを励ますためだったようです(1:27-30)。
苦闘は恵みと紙一重
福音を受け入れたことは大きな恵みです。しかし、ピリピの街はもともと祈りの家のない街でしたから、信仰を持った後にも福音にふさわしく生活することに困難を感じ、苦闘の中にいた人々がいたが居たのかもしれません。それは、パウロもわたし達も同じです。
苦闘を乗り越える秘訣
そして、苦闘を乗り越える秘訣をパウロは伝えます。それは、教会の一致です(2:1-4)。パウロは讃美を通して教会の具体的一致の姿をキリストの十字架になぞられて語りました。この讃美はまるで信仰告白のようで、当時の人々はこの讃美を通して自分が何を信じているのか確認していたでしょう。
3. 十字架と私たちの生活
ここで私たちが覚えたいことは、キリスト教の信仰は一時期的な儀式や教えにとどまらず、毎日の生活が続く人生そのものに結び付くものです。パウロはそのことを意図して、私たちが生活の中や教会で実践することとしてイエス様の十字架を語ります。(2:5)
へりくだる(2:3)(2:6)
「捨てる」と訳されている言葉は、原文では「固執しない」と言う意味を持ちます。自分の考えを押し通さないで手放せる。イエス様のへりくだりはそんな柔軟さが伴っていたとも考えられます。謙虚になるためには握っているものを手放せる柔軟さが必要なのかもしれません。
ほかの人を顧みる(2:4)(2:7-8)
イエス様は人々の救いのために人の身体を持ちしもべとなりました。人となり十字架で死なれたイエス様の姿はまさに“仕えるしもべの姿”であり「人を顧みる姿」の頂点です。そして、わたし達も自分の正義や得のためではなく、人を思いやり仕える姿が求められています。
父なる神に栄光を帰する(2:2)(2:9-11)
救いの完成は天の神様によってなされました。イエス様が十字架にかかり、神がすべてにまさる救い主としてイエスを立て、イエスが「主」と呼ばれる。ここも含めて救いの完成です。イエスが救い主であることを告白により、人々は救われます。そして、この信仰告白によって様々な人が集まる教会は一つの思いになることが可能です。2:11には、「父なる神に栄光を帰するのです」とあります。イエス様が十字架を全うし、救いの道を完成されたのは神です。その神は今わたし達にも働かれ、わたし達の生きた姿を通して人々は神を知るのです。
結論
わたし達は日々の生活の中で「福音にふさわしく生活する」ことに困難を覚えるかもしれません。そんな苦闘を乗り越える秘訣は「教会の一致」です。そして、その一致をどのようにしたら良いのかは、イエス様の十字架が教えてくれています。福音の実践を通して信仰の恵みを更に体験しましょう!
Posted by shinnakano
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