翼の下に入れてくださるお方
ルツ記2:10-13

翼の下に入れて下さるお方

礼拝メッセージ

説教者:知宏師
2024.01.21礼拝説教
説教題:「翼の下に入れて下さるお方」
テキスト:ルツ記2:10-13

【新改訳2017】
2:10 彼女は顔を伏せ、地面にひれ伏して彼に言った。「どうして私に親切にし、気遣ってくださるのですか。私はよそ者ですのに。」
2:11 ボアズは答えた。「あなたの夫が亡くなってから、あなたが姑にしたこと、それに自分の父母や生まれ故郷を離れて、これまで知らなかった民のところに来たことについて、私は詳しく話を聞いています。
2:12 【主】があなたのしたことに報いてくださるように。あなたがその翼の下に身を避けようとして来たイスラエルの神、【主】から、豊かな報いがあるように。」
2:13 彼女は言った。「ご主人様、私はあなたのご好意を得たいと存じます。あなたは私を慰め、このはしための心に語りかけてくださいました。私はあなたのはしための一人にも及びませんのに。」

ルツ記2:10-13

 本日は、2:12から「翼の下に」という言葉を使った説教題を付けました。
今日の箇所は、この「翼の下に」という言葉を通して、その大きな翼を広げ私達を迎え入れ、親切にしてくださる神様を教えてくれます。

翼の下に入れて下さるお方

全ての人を受け入れて下さる(2:10)

 ルツ記の特徴は、神様から与えられた教え(律法)に基づいた宗教的な習わしです。その習わしは、彼らの生き方にも影響していました。その生き方は“ただ一人の神様を信じる民”という事を特徴づけると同時に、自分の神様がどのようなお方なのかを他の民に証していました。今日お読みしたルツの物語にも“落穂ひろい”という教え(律法)に基づいた習わしが背景にあります。この習わしは、食べるのに困っている貧しい人のためのものです。麦畑の持ち主は、麦を収穫する時に、落ちた多くの麦をそのままにしておき、貧しい人たちは、落ちた沢山の麦を拾って、食料にしていました。“落穂ひろい”から神様は全ての人の生活を気に留めてくださり親切にして下さるお方であることをわたし達は知ることが出来ます。
 ボアズもまた、ただ一人の神様を信じるイスラエルの民で、慣習に従い落穂ひろいのために自分の畑を開放します。ルツはそこで落穂ひろいをしていました。ボアズは、外国人のよそ者であるルツに親切にします(2:8-9)。それに対してルツは「どうして?」と、驚きます(2:10)
 わたし達も他人と比べて能力が劣っている時や周りの人と違うと感じた時等に「自分はここに居るべきではない」そのように思います。しかし、神様はわたし達を受け入れ、親切にしてくださるお方です。

私の思いを知って下さる(2:11)

 ボアズはルツの孤独や寂しさを思い、声をかけてくれたようです(2:11)。
ルツ記のどこにもルツの弱音は見当たりません。しかし実際、ルツは外国人で夫を亡くした女性でした。そのことは当時で言うと何も持っていないことを物語っています。一緒に暮らすのは、自分と同じように夫を亡くした姑だけです。そんなルツが生活のためにできる唯一のことが落穂ひろいだったのです。
 そんなルツに対してボアズは、見下す言葉をかけません。排除することもせず、ただルツの状況、してきたことを知り、ルツの苦しみに寄り添うように親切にしたのです。ルツ記が教える神様は、わたし達が辛い時、絶望に至る時「○○しなさい」と、わたし達を叱り、懲らしめる方ではありません。むしろ、親切な神様です。「辛いよね」「苦しいよね」と声をかけて親切に声をかけて下さる。その翼で休ませてくださるお方です。神様は今でも、私達の嘆きや悩みの祈りに耳を傾け、慰め、共に悲しんで下さいます。

身を避ける者を報いて下さるお方(2:12-13)

 最後にボアズは、「…翼の下に身を避けようとして来たイスラエルの神、【主】から、豊かな報いがあるように。」(2:12)とルツに伝えます。
身を避けるとは逃げてきたという意味です。神様の翼の下に逃げてきた人を、神様は報いを与えてくれます。報いとは、報酬です。逃げて来た者に対して、報酬を与えるように、神様は良くして下さいます。このことは、この地上では考えられないことかもしれません。しかし、これがわたし達の神様のすることで、私たちの生きる信仰の世界の価値観です。
 わたし達は神様の翼の下に入る時、自分の小ささと神様の親切の大きさを知ります(2:13)。そして、評価ばかりされるこの地上で、私たちは翼を広げて下さる親切な方を証しすることが出来ます。

結論
 神様の親切を知る人々が集まる教会は、多くの人が神様の翼の下で身を休むように心癒され、励まされ、勇気を得ることができる場所として用いられることを信じます。そして、神様はわたし達にも日々その翼の下で守られることを覚えてほしい。翼の下に来て神様の親切を体験してほしいと願っています。
私達は、賛美や御言葉を通して神様の翼の下に行くことを求めたいと思います。

御翼の陰
我が魂は あなたに渇き この身もあなたを慕い求める
あなたの恵み 命に勝り 唇はあなたに賛美をささげる

御そば近く 引き寄せたまえ 
あなたを思い 夜が更けるまで
永遠に憩う 避け所なる 御翼の陰 喜び歌う