からし種の教会

礼拝メッセージ

2025/10/5 礼拝説教
【テーマ】  大きくなる神の国
【説教題】 「からし種の教会」
【聖書箇所】 マルコ4:26-34
【説教者】藤井敬朗牧師

4:26 またイエスは言われた。「神の国はこのようなものです。人が地に種を蒔くと、
4:27 夜昼、寝たり起きたりしているうちに種は芽を出して育ちますが、どのようにしてそうなるのか、その人は知りません。
4:28 地はひとりでに実をならせ、初めに苗、次に穂、次に多くの実が穂にできます。
4:29 実が熟すと、すぐに鎌を入れます。収穫の時が来たからです。」
4:30 またイエスは言われた。「神の国はどのようにたとえたらよいでしょうか。どんなたとえで説明できるでしょうか。
4:31 それはからし種のようなものです。地に蒔かれるときは、地の上のどんな種よりも小さいのですが、
4:32 蒔かれると、生長してどんな野菜よりも大きくなり、大きな枝を張って、その陰に空の鳥が巣を作れるほどになります。」
4:33 イエスは、このような多くのたとえをもって、彼らの聞く力に応じてみことばを話された。
4:34 たとえを使わずに話されることはなかった。ただ、ご自分の弟子たちには、彼らだけがいるときに、すべてのことを解き明かされた。
マルコ4:26-34

○ 新中野キリスト教会には定例会があります。ベタニア、ころば、からし種、コロナ前にはハーベスト(ろう者の会)もありました。それぞれがとても良い交わりをしてくださっていることを嬉しく思います。それぞれの会のネーミングは誰がどのように付けたのか興味があります。「からし種」もどういう意味合いでつけられたのでしょう? 今日はイエスが語られたたとえの「からし種」を見てみましょう。

からし種の教会

種と地の不思議

地が育てる

    1.ユダヤ人の待ち望んだ「神の国」を説明するのに、イエスは小さな種「からし種」を用いて語られました。とても小さな種です。からし種に限らず、往々にして種は小さいものです。それを土の中に蒔くと芽を出し、どんどん成長してやがて実をつけます。

    2. 4:28 地はひとりでに は、前の訳では「人手によらず」、新共同訳では「土はひとりで」と訳しています。原語は「アウトマテー」というギリシャ語で、「オートマチック」といういことです。機械の理屈を知らない素人でも、スイッチを入れて動かすことはできます。同じように土の理屈を知らなくても種を蒔いて育つのを見ることができます。たとえ、プロのお百姓さんが種を蒔くといっても、育てるのは土などの自然がほとんどです。

神が造られた

    1. 4:27 夜昼、寝たり起きたりしているうちに種は芽を出して育ちますが、どのようにしてそうなるのか、その人は知りません。 と、ありますが、現代は種を細胞・遺伝子レベルで調べて知ることのできる時代になりました。土に関してもその中の微生物や栄養素などを知ることができる時代です。どのようにしてあの種から実をつけるようになるのかまで調べることができるようになりました。

    2.しかし、どのようにしてあの種から緑の芽が出て、成長し、色々な色の花を咲かせ、昆虫によって受粉させ、美味しい実をつけるのか、その仕組みはわからないのです。神が造られたとしか言いようがありません。

神の国の不思議

天国の住民は多い

    1.神の国もどうして大きくなるのか人にはわからないのです。この地球上に人は最初アダム一人でした。神はアダムからエバをお造りになって、そこからは男女から子どもが誕生するという不思議な方法で人を増やされました。その全ての人が天国に入ってくることを願ってです。アダムとエバだけならさみしいかも知れませんが、一体今はどれくらいの人が天国にいらっしゃるのでしょう?

    2.人が誕生する仕組みも種から芽が出て花を咲かせ、実を結ぶ以上に不思議です。人にはわからないことです。そのようにわからないことですが、神の国は大勢の人で満ちるのです。

神の国は成長する

    1.また神の国はそのように人がただ増えるというのではなくて、それは成長していることも表します。神が人のために多くの果実をお造りになりました。それは美味しいのです。また種類によって様々な味、食感です。ただ一つだけではない、色々なものがあるのです。これもまた不思議なことです。

    2.神の国もそのように成長します。それは色々な人が集まってくるからです。しかし、単に多く集まるのではなく、それが一本の木のように一つになっている姿です。それが教会です。

教会の不思議

天国と神の国

    1.ユダヤ人はイスラエルという国が再興されることで神の国ができるという考えだったでしょう。ですが、イエスが言われる神の国は次元が違いました。かといって「天国」と言ってしまって、何か私達が死後神と共に暮らす場所のように思い込んでしまうのも違う気がします。

    2.確かに神の国は天国かも知れませんが、なぜ霊である神が肉体という時間・空間に制約された人間をお造りになったのでしょうか? それはこの地上においても「神の国」と呼べるところをお造りになるためだったからでしょう。

教会は増え広がっている

    1.教会は天国の出張所とも言われます。教会は決して建物のことではありません。建物は「教会堂」です。それは借家でもプレハブでも、マンションの一室でもかまいません。場所はどこでもいいのです。クリスチャンの集まりが教会です。もちろんそこにイエス・キリストがおられてのことです。イエス・キリストのおられるところが教会です。

    2.2000年前このイエスを信じる群れ(教会)ができてから、教会は全世界に増え広がりました。まさにからし種ほどのイエスの弟子達から全世界へと広がりました。不思議ですね。これは神がおられないとできないことです。

● 新中野キリスト教会の「からし種」の命名者が誰か知りませんが、このようにこのグループが神の国として成長することを願って名付けてくださったのでしょう。今は10名以下のグループですが、どんどん成長することを祈るものです。もちろんベタニアもころばも、そして音楽部、伝道部、信徒部も。

★ 私たちの信仰は小さいかも知れませんが、イエスはその小さなからし種の信仰を良しとしてくださいました。必ず聖霊によってからし種の信仰は成長します。そして、からし種の教会は成長するのです。