良い習慣を身に着けたい

良い習慣を身に着けたい

子育て通信

勤務校が決まった

  (藤井敬朗の人生を神様に感謝しながら書いています)
    前号から続けて

  そして、少しして中学校教員の採用通知が来ました。大喜びで高槻市教育委員会に行き、教育長さんから「高槻第Q中学校勤務を命じる」と、辞令をいただきました。高槻市出身とは言え、全く知らない学校に行くのですから希望も満ちていますが、不安もいっぱいです。

教師らしくしようと

  その中学校は我が家から4kmほどの山の方にある新興住宅地にあり、全校生徒1400人ほどのマンモス校でした。私は1年生の担任を命じられました。1年生は11クラスありました。2年生は10クラス、3年生は9クラス。美術の教師は私を入れて3名。単純計算では、一人10クラスを受け持つのですが、私は1年生11クラス全部を持つことになりました。大変ではありましたが、1年生全員を知ることができたのは感謝でした。
  私は教師らしくなろうと思って、髪の毛をスポーツ刈りにしました。祖母が就職祝いにと勝ってくれたグレーのスーツを着て、目医者に目のためにサングラスをかけた方がいいと言われたので、紫外線を受けると黒くなるメガネをかけて中学校の入学式に向かいました。

  グランドに新一年生が480名ほどウロウロして、まだ小学生の雰囲気丸出しで騒いでいます。格好だけは制服でそれらしいのですが、中学生になったことの不安がいっぱいのように感じられました。3つの小学校から来ているだけにグループも学校毎でした。クラス発表を見て、友達と一緒だと喜んでいるグループもあれば、一人でぽつんとしている生徒もいます(たぶん、引っ越してきて一人なのでしょう)。

1年4組の担任に

  私たち担任はクラスのプラカードを持って一列に並びました。すると生徒達も自分のクラス担任が誰かわかったのか、歓声や嘆きの声が響きます。学年主任が「皆さん、自分のクラスのところに2列に並びなさい」と言われました。
  他のクラスは早々と並んだのですが、私のクラスはなかなか前に来ません。先生方に促されてやっと並び、保護者の待つ体育館へ入場しました。
  1組が最前列で横一列になって椅子に座りました。私のクラスは4組なので、4列目です。全員が座ると小学生気分の抜けない生徒達はわいわいうるさかったですが、うちのクラスは静かでなんとなくピシッとしているのです。

年とって見えたらしい

  入学式を終えて教室に入ると、やはり静かでした。「すごいなあ」と感心したのですが、この時の彼等は私が怖く見えて、緊張していたのだそうです。なにしろ、良いお天気で、私のメガネは完璧サングラスになっていて、頭はスポーツ刈り、グレーのスーツは、彼等には怖く見えたらしいのです。いや、子どもたちだけで無く、保護者の方々も同じ感想だったらしいです。
  生徒を帰した教室に保護者だけ残って頂いて、話をしましたら、保護者の方らから質問が来ました。「先生は何才ですか?」と。私が「23才です」と答えると、急にどよめきが起こりました。「30歳を越えていらっしゃると思っていました」と。どうもあの姿が実年齢より10歳ほど年をとっているように見えたらしいです。

祈って学校に行く

  このようなスタートを切った私ですが、楽しいクラスが始まりました。今まで通り、5時半頃に起きて聖書を読み、朝ご飯を食べて出勤です。私は学校までバスに乗らず、歩いて通勤しました。というのは、その40分間ほどが生徒達のために祈るのにとても良い時間だからです。生徒達のために祈るのはいいですよ。嬉しくなります。

習慣はすごい!

  入学式翌日から生徒達は私が思ったほど怖くないと知って、急に態度が変わりました。私は美術の教師なので、自分のクラスといえども週に2時間だけしか受け持ちません。ですから私は朝のホームルーム10分と、帰りのホームルームを大切にしたいと思いました。
  最初はとにかく名前を覚えるために出席簿順に名前を呼んでいましたが、毎日それも面白くないので、「歌を歌おう」としました。「今週の歌」というのを決めて学級通信に載せ、歌うことにしました。が、生徒達は「えーーー。いやだ!」と面白くない反応でした。でも、歌わせました。最初は嫌がりましたが、続けていると歌うのが当たり前になるんです。習慣というのはそういうものらしいですね。早起きする習慣、それも自分で起きる、また勉強する習慣だとか、良い習慣を身に着けると後が楽です。
  1年生には歌わせましたが、その後、「1分間」といって、静かに目をつぶって深呼吸する時にしました。これもとても良かったんですよ。
  私は聖書を読んで、祈りながら通勤というのを習慣化してしまいましたが、良かったです。

東大合格必勝法

  ついでに以下のような「東大合格必勝法」というのを見つけたので(ドラゴン桜)、書いておきます。

   東大合格必勝法 家庭の10か条
1.一緒に朝ごはんを食べること
2.何か1つでも家事をさせること
3.適度に運動させること
4.毎日同じ時間に風呂に入らせること
5.体調の悪いときは無理をさせず休ませること
6.リビングはいつでもかたづけておくこと
7.勉強に口出ししないこと
8.夫婦仲良くすること
9.月に一度家族で外食すること
10.この10ヵ条を父親と共有すること

今思い起こすと、私も生徒達や保護者の方に似たようなことを言っていました。生徒達が元気に学校に来てくれるのは教師にとって大変嬉しいことです。そのためには良い習慣を子ども達が身に着けることですが、家庭の協力もとても大切だということを知ったのです。

真っ先に遊んだ

  授業が始まる前に、各クラスでは自己紹介や、身体測定などに2-3日費やします。その初日、みんなは自己紹介をさせられるのだろうと思って緊張感に満ちて教室で待っていました。
  私は生徒達に「グランドに出てみんなで遊んでいいよ」と言いました。生徒達は大喜びでグランドに出ました。私も体操服に着替えてグランドに行きました。
  1400人もいるこの学校(最大1500人を越えました)、グランドで自由に遊べる時間がそうありません。どのクラスも自己紹介などをしている初日はグランドが全く使われていません。私は自己紹介の前に遊ぶことで仲良くなることができることをねらいました。グランドいっぱい使って思いきり体を動かして、それから教室に戻るとけっこうみんな打ち解けていました。そこで自己紹介をすると、なかなか楽しい時となりました。
  その後、他のクラスもどんどんグランドに出てきましたが、がら空きのグランドで遊んだことを私のクラスの生徒達は誇りにしたみたいです。

  中学生と過ごす楽しさを第Ⅰ日目から感じました。でも次々色んなことがありました。また、思い出を書きながら思春期の子どもを知っていただこうと思います。

 若者をその行く道にふさわしく教育せよ。そうすれば、年老いても、それから離れない。

聖書 箴言22:6

子育て通信

Posted by shinnakano