不思議な出会いで癒される

不思議な出会いで癒される

子育て通信

  (藤井敬朗の人生を神様に感謝しながら書いています)

舟の右側8月号

  「舟の右側」というキリスト教の月刊誌があります。その8月号に私の「中学校教師時代の出来事」を書いて欲しいという依頼をいただきました。というのも編集長の谷口和一郎さんという方は、私が高槻キリスト教会の牧師をしていたときの教会員だったのです。彼は私の教師時代にあった数々の恵みの一部を知っている人でした。私の親友でもあります。その彼が頼んできたので書かないわけにはいきません。

  しかし、いざ書き始めてみると次々懐かしい思い出が出てきてしまって、文字数が大幅にオーバーしてしまいました。どこをどのように削減すればいいのか悩みつつできるだけコンパクトにまとめてみました。するとどうしても良い出来事ばかりになってしまいます。しかし、それも本当のことなので大幅に削除した形ではありましたが、後は下手な文章を添削してもらって読める文章にしていただきました。
  (興味のある方には「舟の右側8月号」をお渡しします。)

胃を壊してしまった

  そこで、今回は、私の教師時代を終えて神学校に入学したところから書いてみたいと思います。
  28才で神学校に入った私は胃を壊していました。体の弱い私が教師時代はほとんど病気もせず、学校を休むこともなかったのは奇跡的なことでした。祖母が亡くなったときの忌引きぐらいです。
  ところが教師を辞めることになって、美術、生徒会、陸上部の引き継ぎ・片付け等々で大変忙しくなり、胃を傷めてしまいました。お医者さんは胃潰瘍になっていたら大変だから検査を受けるように言われるのですが、そんな時間も無く、そのまま東京に行くことになってしまいました。

神学校生活始まる

  お医者さんに言われたように病院に行くべきだと思っていたのですが、入学するとまた一気に忙しくなり、生活も全く変わってしまって、病院どころでは無くなってしまいました。そうこうするうちに胃の方は少し落ち着いた気もしたので、勉強に打ち込みました。
  聖書の勉強をこんなにもさせていただけるのは私にとってはとても嬉しいことで、なにもかもが新しく、とても楽しかったです。その楽しさが胃を楽にしていたのかも知れません。

寮生活

  神学校は全寮制(夫婦の方は通い)でした。男子寮は古い建物で、玄関は広く、1階にはサロンと呼ばれる広いくつろげる部屋があり、卓球台がありました。他に風呂、トイレ、ミニキッチン、そして客室がありました。私たちは2階の5つの和室に2~4名で入りました。寮生活が初めての私はこの生活がとても楽しかったです。
  朝は5時半から祈祷室で早天祈祷会、6時半からラジオ体操と掃除、7時から食堂で朝食、8時30分頃のチャペル、9時過ぎから授業。昼食をはさんで午後の授業。5時半の夕食までは自習や、色々な活動、6時半が門限なので、夜に外に出ることはまずありませんでした。

1週間の過ごし方

  日曜日は派遣教会が指定され、神学生はそれぞれその派遣教会に行って礼拝出席と、様々な奉仕をします。
  月曜日は作業日で神学校や本部棟のメンテナンスや植木の剪定等々。年に何回かスポーツ大会やバスハイクがありました。本部棟のペンキ塗り、台風で壊れた藤棚造り、サロンの床がフワフワしたので、床下の作業、なかなか楽しいものです。
  金曜日の夜は敷地内にあります中央聖書教会の会堂をお借りして、「学生伝道会」というのをしていました。学生が説教から司会、全ての奉仕をします。また集会1時間前に路傍伝道します。駅前などでマイクを持って案内、チラシを配布、関心のある方はそのまま教会までご案内するというものです。最初はハンドマイクを持って東京の人通りの多い駅前で案内するのはとても勇気がいりました。この時にであったあるおじいちゃんは毎週のように来てくださいました。また、滋賀県から単身赴任で来られていた男性もよく来てくださるようになりました。こうした出会いはとても記帳でした。
  土曜日は午前中授業なので、午後は自由になります。お茶の水の古本屋街に行ったり、東京散歩をしたりしました。

鍼治療との出会い

  胃の辛さは一旦治まったように感じたのですが、どうも治まったわけではなかったらしく、今度は胃の不調と共に腰痛を体験しました。滅多に腰痛を体験したことがなかっただけにどう対処してよいのかわからなくなりました。
  授業中、椅子に座っているのも苦痛でしたし、階段を上がるにも手すりをつかまないと上がれないほどでした。
  しばらくして落ち着いたのですが、胃と腰がおかしいままどんよりした気分で日を過ごしていましたら、昭島市にある教会の先生から私を指名して、中高生の集会をして欲しいという依頼を受けました。喜んで土曜日午後に行きました。
  その先生は盲目でした。中高生の集会をして、数名の子達の勉強をみて、奥様手作りのとても美味しい夕食をご馳走になって、さあ帰ろうと思ったところで、先生は「藤井さんはどこか悪いところがありませんか?」と言われました。そこで、「胃と腰が悪いです」と答えますと、「やっぱり」と胃って、座布団を並べて「そこにうつ伏せになってください」と言われました。「何が始まるのだろう」と思っていたら、「藤井さんは鍼を打ったことはありますか?」と。「いいえ」と答えると「では、軽めにしておきましょう」と胃って、背中と腰に鍼を打ってくださいました。この先生は鍼の免許を持っておられたのです。
  初めてだけにビックリと、痛いのではないかという恐怖が走ったのですが、全く痛くないのです。すると何ともとても楽になったので驚きました。

神様が出会わせてくださった

  この先生が、神学校の先生に交渉してくださって、毎週土曜日の午後に鍼治療をしてくださることになったのです。その際、私は中高生の集会をするのです。おかげでどんどん胃の不調もなくなっていき、腰痛もなくなっていきました。不思議な出会いでした。中学の教師をしていたということで、一度呼びたいと思ってくださっただけだったのに、毎週2時間ちかくかけてこの先生のところに行くことになったのです。
  駅から畑の間の道を通るのですが、これがまた気持ち良かったです。
  神様は本当に不思議な方ですね。何度も何度も「胃を癒してください」「腰痛を癒してください」と祈っても癒されなかったのですが、鍼治療のできる盲目の牧師先生と出会わせてくださって、しかも私がどこか悪いところがあるというのも感じとってくださったお陰で、毎週鍼治療を受けることができたのです。
  この先生のところに行くことになったので、そこの3人のお子さんとも親しくなって、これもまた私にとってはとても楽しいことでした。そして、先生ご夫妻から色々教えていただいたのですが、学校とは違う現場の勉強もさせていただいたように思います。

電車の中でギリシャ語

  土曜日の午後というのは神学生にとってはフリーなので、出かけたり、ある学生はデートしたり、遅れている勉強を頑張ったり、レポートを仕上げたりする時間です。しかし、私の午後はこの教会に行きますから、レポートや試験勉強も他の日に時間を見つけてしなければなりませんでした。この教会に向かう電車の中ではたいていギリシャ語の単語を覚えるようにしていました。記憶力の悪い私はこの電車の中が、レポートは書けないけれど、単語を覚えるには適していたように思います。
  神様は不思議な出会いをあたえてくださいますが、何と言ってもイエス様との出会いほど不思議ですばらしいものはありません。私はイエス様に出会わなければ、どうなっていたか想像できませんが、あまりよろしくない人生に向かっていただろうと思います。イエス様との出会い、そして盲目牧師との出会い、「感謝、感謝!」でしかありません。

子育て通信

Posted by shinchan