祈ったら雨が降らなかった
林間学校part2
(藤井敬朗の人生を神様に感謝しながら書いています)
前号から続けて
前回書いた林間学校は1年生の話でした。1年生の時の林間学校は結構雨で、山歩きも川遊びもできませんでした。翌年(2年生)、この学年はまた同じところに林間学校に行ったのですが、この時の思い出を書きます。
雨の予報だけど・・・
私はこの2年生の林間学校のために祈りました。「今度は良い天気にしてやってください」と。林間学校のための準備は着々と進みましたが、6月に行う行事で天気がまた気になりました。長期予報ではすでに雨と予報されてしまいました。ますます私は祈りました。学校への通勤の道4kmほどは私の祈りの道でしたから、ここでよく祈りました。
生徒達は林間学校を楽しみにしていましたが、その日が近づくにつれてだんだん楽しみが消えていく感じでした。それもそのはず天気予報はこの3日間が雨と伝えています。前線が北上して来ていたからです。先生方も皆口々に「今年もこの学年は雨か」と言うようになって、雨対策を始め、「また餅つきをするか」とか各民宿でできることを考え始めていました。私はそういう様子を見て辛くなりました。そして、学年会議で先生方が遂に雨のプログラム中心に話し合いを始めてしまったので、私は「いいえ、晴れます!」と言いました。もちろん、先生方はバカなことを言っているとしか思ってくれませんでしたが、私は真剣だったのです。神様は晴にしてくださるように思えて仕方がなかったのです。
賭けちゃまずいよね
クラスでも私は「林間学校は3日間とも晴れる!」と言うと「うそー、雨だよ」の声。生徒から「先生、賭けるか!」ときたのです。そこで、私も「よし、賭けよう!」なんて言ってしまいました。「何賭ける?」「お金だ」「おやつだ」と。結果、おやつを賭けることになったのですが、クラスの生徒全員が「雨」に賭け、私一人が「晴」に賭けました。するとかわいそうに思ってくれた女子生徒が一人、「私、先生と一緒にする」と言ってくれました。
林間学校2日前、天気予報は相変わらず「雨」と。生徒達はもうすでに勝った気分で、「どんなおやつくれる?」などと言っています。先生方も完璧に雨気分。私は「晴れます!」と続けました。
林間学校前日、天気予報は「朝から雨」と言っていました。出発時点から雨だと言うのです。確かに前線は北上しています。
遂に当日!
遂に当日。早朝に目を覚ました私は勢いよく窓を開けるとなんと快晴です。いつもの道を「神様、ありがとうございます」と言いながら行きました。先生方から、「けいろう先生、晴れましたねえ??」と、ちょっと驚きの気持ちで言ってくださいました。生徒達は「先生、晴れたなあ。でも、このあと、わからんで」と。まだおやつをもらえるものと思い込んでいます。
とても良いお天気の中、高原に着き、高原でのプログラムはすべて実現しました。つまり、初日は快晴だったのです。夜に教師会が持たれ、宿のご主人達と明日のための打ち合わせにかかりました。そして、テレビで天気予報を見ると、「今日は予報が外れ、前線が上がってきませんでした。しかし、明日はこれが北上し雨となります」ということで、またもや教師会は雨対策に入ったのですが、私は「晴れます!」と言い続けました。ちょっと笑われましたが、晴の時に予定している山歩きについても話し合いました。宿の主人達は「雨でさえなければ大丈夫」と、言ってくださいましたので、翌朝の天気を見て決定することになりました。
二日目!
さて、翌朝。すごい霧でした。生徒達は何も見えない霧にやたら喜んでいました。空が見えなくて、先生方は気にしましたが、宿のご主人が「この霧なら天気だ!」と言われたのです。山の天気に詳しい宿のご主人の言うとおり、朝食を終える頃には霧は見事に晴れ、なんと快晴ではありませんか。天気予報も午後しばらくまで晴を宣言しました。夕方から雨だと言います。
そこで、山歩きは実行でき、少し山菜も採れ、狭い道を上るのはちょっとスリルもあり、なかなかの楽しい時となりました。急な下り坂では女の子を助ける光景も見え、みんな一気に仲良くなっていくのを感じました。快晴のため日焼けしてしまいましたが、楽しく山を下り、例の高原に到着。夕方までそこで遊んで、宿に帰って夕食。完食です。
雨は降りませんでした。生徒から「先生、3日間とも晴と言ったんやからな。明日雨になったら、おやつやぞ!」と。「おー、わかった。明日も晴れるから」と言いましたら、バカにする生徒は少なくなっていたことに気づきました。
教師会で明日の打ち合わせ。川遊び、魚つかみ、魚釣りの計画なので、「小雨なら実行しましょう」と天気予報を見て考えておられます。と言うのも、天気予報は「きょうも前線は動かなかったので晴れましたが、明日はこの戦線が上がりますので、今日の夜中頃から雨になります」と言うからです。宿の方々は小雨ではなく、相当降ると判断して宿の中で楽しめるものを考えてくださっていました。が、私は「晴れます!」と最後まで言い続けました。
三日目!(最終日)
最終日。雨の音はしません。霧もありませんが、気持ちのよいお天気でした。「やったあ!」と口から出てしまいました。魚つかみの川は宿のすぐ下なので、雨が降ればすぐ宿に戻れます。ですが、この最終日もよく晴れて、予定通り行う事になりました。しかも、雲一つありません。捕ったニジマスを宿で焼いていただき、昼食にしました。美味しかったですね。
遂に降ってきた!
さていよいよ広場で待っているバスに乗ります。ここまで晴れたのです。
バスに乗って走り出しましたら、なんと急に空が暗くなってきました。バスの後ろの方から黒い雲が追いかけてくるような感じです。
うちのクラスの生徒達は賭けに負けたことを認めていました。その上で、この雨雲には驚いた様子です。
学校に着いた頃にはもう空全体が雲に覆われていました。そして、どんどん暗くなってきます。グランドで学年主任が「皆さん、気をつけて急いで帰ってください」とほとんど挨拶無しに解散となりました。生徒を帰して、私たち教師は職員室に入り、片付けなどを行いつつ、帰る準備にかかっていました。先生方から「けいろう先生、本当に3日間晴れましたねえ」と驚くような感じで言われました。
1時間ぐらい経ったころでしたか、真っ暗になった空から、大粒の雨がそれも土砂降り状態で降ってきました。遠い家の生徒もすでに帰り着いているはずです。「いやー、よかったですね」と先生方は口々に。私たちはしばらく学校に足止めを食らいましたが、3日間快晴の林間学校を心から感謝しました。
「ハレルヤ先生」だって
次に学校に来ると生徒達から「先生、負けたわ」と。私をかわいそうに思って「晴れる」に賭けた女の子は大喜びです。まあ、彼女と共に「賭けのおやつはいらんよ」と言いましたが。
実はそこからしばらくの間、私は「けいろう先生」と共に「ハレルヤ先生」とも呼ばれました。まあ、すぐその呼び名は消えましたけどね。
この本当の話。天気は偶然だったのでしょうか? 私が祈ったからでしょうか? それは神様にしかわからないことです。
どちらにしても、私は神様に感謝し、ますます、お祈りを大事にするようになりました。両親の離婚問題で心揺れる生徒のため、学校に行きたくないという生徒のため、不登校の生徒のため(この生徒のことも機会があれば書きたいです)、体の弱い生徒のため、陸上部の生徒のため等々、祈ることは山ほどありました。
でも、皆さん、神様はこんな私の祈りも軽んじてはおられないのです。
皆さんも祈ってみてください。