
あなたの関心は何か?
2025/8/24 礼拝説教
【テーマ】 成熟を目指して
【説教題】 「あなたの関心は何か?」
【聖書箇所】 マルコ4:1-13
【説教者】藤井敬朗牧師
4:1 イエスは、再び湖のほとりで教え始められた。非常に多くの群衆がみもとに集まったので、イエスは湖で、舟に乗って腰を下ろされた。群衆はみな、湖の近くの陸地にいた。
4:2 イエスは、多くのことをたとえによって教えられた。その教えの中でこう言われた。
4:3 「よく聞きなさい。種を蒔く人が種蒔きに出かけた。
4:4 蒔いていると、ある種が道端に落ちた。すると、鳥が来て食べてしまった。
4:5 また、別の種は土の薄い岩地に落ちた。土が深くなかったのですぐに芽を出したが、
4:6 日が昇るとしおれ、根づかずに枯れてしまった。
4:7 また、別の種は茨の中に落ちた。すると、茨が伸びてふさいでしまったので、実を結ばなかった。
4:8 また、別の種は良い地に落ちた。すると芽生え、育って実を結び、三十倍、六十倍、百倍になった。」
4:9 そしてイエスは言われた。「聞く耳のある者は聞きなさい。」
4:10 さて、イエスだけになったとき、イエスの周りにいた人たちが、十二人とともに、これらのたとえのことを尋ねた。
4:11 そこで、イエスは言われた。「あなたがたには神の国の奥義が与えられていますが、外の人たちには、すべてがたとえで語られるのです。
4:12 それはこうあるからです。『彼らは、見るには見るが知ることはなく、聞くには聞くが悟ることはない。彼らが立ち返って赦されることのないように。』」
4:13 そして、彼らにこう言われた。「このたとえが分からないのですか。そんなことで、どうしてすべてのたとえが理解できるでしょうか。
マルコ4:1-13
○ 有名な「種蒔きのたとえ」のところですが、そして、このたとえが何を言っているのか、今日と次回の2回で見ていきましょう。
関心のあるものを聞こうとする
何に関心があるか?
1.イエスは 4:3 「よく聞きなさい。」 と言われました。たとえ話ですが、よく聞かねばなりません。そして 4:9「聞く耳のある者は聞きなさい。」 と、イエスが何度か語られる言葉です。果たして、 「聞く耳」 とはどんな耳なのでしょうか?
2.都会の道を二人の人が歩いていました。昆虫学者のAが「あっ、コオロギが鳴いている」と言いました。Bが「こんな町中にコオロギなんかいるもんか」と。A「いや、声が聞こえる」B「俺には聞こえない」と。そこでAが遂にコオロギを探し当てたのです。Bは驚いていました。「俺にはそんな小さな鳴き声、車の音などで聞こえなかった」と。Aは「この虫の声は聞こえなくても、このたくさんの人が聞こえる音があるよ」と、Aは小銭を財布から出してチャリンと落としました。するとたくさんの人が振り返ったのです。
3.現代はSNSに関心のある人が多いようです。そして、そこから自分の気に入った情報だけを取り入れていくためにその情報に偏りが出るばかりか、時には間違った情報を信じ込んでしまっていることがあります。しかも他の人に悪影響を与える間違いであっても、案外本人は「正しい」と信じ込んでいるものです。さらに間違った情報が広まってしまうという問題が起こります。
神に関心を持つだろうか?
1.関心を持つことは大事なのですが、偏った関心が人生を狂わしたり、他の人を苦しめたりすることもあるのです。果たしてどれほどの人が神様に関心をもっているでしょうか? 神の言葉に関心を示す人とそうでない人の違いは大きいです。
2.このたとえ話、4つの土地の話は次回に回しますが、このたとえ話をおびただしい数の人が聞いたのです。果たして、この4つの土地の内、良い土地だった人はどれくらいいたのでしょうか? イエスは御言葉を語られたのです。つまり、種は蒔かれているのです。
3.人は同じように食べていても成長の仕方は違います。食べ物の違いで人の体も変わるのでしょう。私たちの霊的成長には御言葉を食べることが教えられています。心の食べ物で人は善人にも悪人にもなれるのです。
聞く耳は「関心」から育つ
聖書に関心のある人たち
1.3節~8節のたとえは当時のユダヤ人にはわかる話です。当時のユダヤ地方での種蒔きは、現代の日本の農法、土地を先に耕して畑を作ってから種を蒔くという方法ではありませんでした。畑にする土地に先に種を蒔いて、一雨来てから土を起こしてかけていく農法だったようです。ですから、ある部分はあぜ道になり、ある部分は下が岩地であったり、いばらの根っこがあったりしたらしいです。このテキストでは種や蒔き方に違いは無いですが、土地に違いがあったということです。
2.この話を農法としてだけ聞いてもイエスの言わんとされていることはわかりません。まさに 「聞く耳のある者は聞きなさい。」 なのです。何を聞かねばならないのでしょうか? イエスは何をこの四つの土地と種にたとえているかを知らねばなりません。
3.さらにそれを知的に知っただけでもまだ聞けていません。この辺りが聖書の読み方に似ています。まず、書かれている状況の理解、次にイエスはここから何を言わんとされているかを考える。次に,それに対して自分はどうするのか? ですね。そうして聞く耳がある人になると思われます。成熟した人になるためにはこうした聖書の読み方を深めていくことでしょう。
信仰体験に関心がある人たち
1.聞く耳とは何でしょうか? 都会でコオロギの声が聞こえたのは、常に虫に関心があったからです。神に関心があるといつでもどこでも、神の臨在を覚えるのです。人が困難な状況に追い込まれて「神はいない」と思える時にも、「何の恵みも無い」と思えるところにも恵みを見つけるのです。
2.関心を持つということは決して簡単にできるものでは無いと思います。意識して思わねばなりません。また、多くの情報を得ないと関心の度合いは薄くなります。御言葉に関心を持つためには御言葉に関する情報を得なくてはなりませんし、御言葉に意識を持っていかねばなりません。
3.子ども達に聖書を教えてもなかなか知識止まりです。しかし、大人の信仰体験は子ども達にも大変関心を持たせることができます。イエスの話にすぐに関心を持てなかった群衆も、イエスの奇跡には関心を持ったのです。信仰継承は知識ではないのです。生きた神の体験を伝えていくことです。もちろんそれだけでは成長しないので、聖書を知っていく必要があります。
★ 私たちが神に関心を持ち、神をありありと体験して、子ども達にもその体験を伝え、子ども達も神に関心を持つ、聞く耳のある子に育てようではありませんか。
Posted by shinnakano
関連記事

この方に罪は無い!
来週はイースターです。今週の金曜日が受難日です。今日はイエスが十字架で息を引き取 ...

主の手がここにある
「安息日」については何度か話してきましたが、現代でも宗教熱心なユダヤ人の安息日の ...

ここに愛がある
今日はイースターウエルカム礼拝を行っていますが、今年のイースターは4月9日(日) ...

なおも用いられる神
私は68才。現代では年寄りとは言えないでしょう。少し前の日本ではこの年齢だと年寄 ...

大変な思い違いをしてませんか?
亡くなった人はどこにいるのでしょうか? 聖書にはイエスの復活が書かれていますが、 ...