6時起きって大事!
2-3歳児保育
新中野キリスト教会では「子どもセンター」という2-3歳児のキリスト教に基づいた少数保育をしています。
私たち夫婦は新中野キリスト教会に赴任したときからこの働きに関わらせていただいています。そして素晴らしい保育士さんと共に関わらせていただいて、私自身大変勉強になっています。
私は保育士ではないので保育には関わっていませんが、間接的に関わり、特に屋上で遊ぶ時などはできるだけ私も屋上に上り、子どもたちの様子を見ています。それと赴任したときから「子育ての会」を開かせていただいています。子育ての会では子どもの発達や子育ての悩み、教育問題等々を話し合っています。
2-3歳児というのは子育てで大事な時期だと昔から言われます。「三つ子の魂百まで」と言われますが、昔に言われた言葉ですから、数え年と考えると3歳というのは今だと2歳ということです。
魔の●歳児
ネットを見ていると「魔の2歳児」という言葉を見つけました。いわゆる「イヤイヤ期」ということでパパ、ママは振り回され、ストレスを抱えます。ただ、これは子どもが何でも自分でやろうとするからで、とても大事な発達の時期だということです。そして、この「魔の2歳児」は「第一反抗期」であるわけですが、私は2歳から5歳までを第一反抗期と考えてきました。これはもう古い考えだったのかも知れません。最近では「魔の2歳児」、「悪魔の3歳児」、さらに「4歳の壁」、「5歳の中間反抗期」、「小1の壁」という言い方があるようです。
「壁」という言い方は私自身は大学で(50年も前ですが)「9歳の壁」というのだけを習いました。この考えもその時代には新しい考えであり、この時期を「中間反抗期」と呼んでいる心理学者がいたような時代です。もちろん、今もこの9-10歳を中間反抗期と呼んでいる方もいるようです。
「魔の7歳」というのもありました。これは発達と関係があるのかどうか? 7歳は突出して車にはねられやすい年齢なんだそうですよ。
そして「魔の第二反抗期」という言葉もあります。やはり第二反抗期は凄いのでしょうね。
でも面白いことに「天使の4歳」という言葉があります。これは「魔の2才児」「悪魔の3才児」を終えて、ようやく保護者が子どもと楽に意思疎通ができるようになるからだそうです。そして自分で身の回りのことができるようになって大きく成長しているのです。
と言いつつも子どもによっては反抗期が続いているような感じで大変だ感じる親御さんもいらっしゃいます。やはり子どもはみんな違うわけです。
順番に脳を育てる
以上のことを考えてみると「子育ては大変だなあ」と思えてしまいます。改めて子育ての大事なことを考えてみたいと思います。
「子育てを変えれば脳が変わる こうすれば脳は健康に発達する」(成田奈緒子著 PHP新書)という本が出ていますが、脳の発達に合わせて育て方を解説しています。基本は「しっかり睡眠時間を取ること」なのですが、この子育ての会で話してきたことと同じことが書かれていました。ただ、この先生は脳の発達を研究されていますから、脳の発達に合わせて教えています。
この本では脳には3つの種類があり、それは「からだの脳」「おりこうさんの脳」「こころの脳」とされていて、これが順番に育つと教えてくださっています。「からだの脳」は生きるための脳で、生後すぐ急激に成長します。そして5歳くらいまで成長していく部分です。寝て、起きてご飯を食べてからだを動かす脳です。0歳~5歳くらいと書かれています。ここを土台にして、少し遅れて1歳~18歳で「おりこうさんの脳」が発達します。これは人間らしさの脳と言われ、言葉や微細運動、勉強・スポーツの部分が発達します。そして、さらにこの2つを土台として10歳~18歳に発達するのが「心の脳」です。これは「社会の脳」とも言われ、ここが発達して社会での成功、幸せを持つようになるのです。
脳は後ろから前へと発達するそうです。そして、脳を育てるというのは神経細胞をつなげることです。生まれたての赤ちゃんの脳では神経細胞のつながりはごくわずかです。それが時間をかけてどんどん網目のようにつながっていくのです。
睡眠時間が大事
この本でも大事なこととして書かれていたのは早寝・早起きでした。しっかり睡眠時間をとるということです。5歳までは11時間以上の睡眠時間が必要ということです。だからといって朝をゆっくりでは意味がありません。「からだの脳」がしっかり発達するように、最初の5年間は夜8時には寝ることを提唱しておられます。こうも書いておられました。「夜8時になったら、眠くなる状態をつくる。夜になったら自然と脳を休ませる生活習慣を身に付ける。乳幼児期の子育てに、それ以外の努力は何一つ要りません。」(p40)と。ただ、これは「ネルソン小児科学」という小児科医の利用する教科書にあるそうで、成田氏はそこからマイナス1時間で考えておられます。5才児で8時に寝て6時に起きるという10時間睡眠です。
6時起き
成田氏は5才児でも6時起きを推奨されていますが、年齢が上がっても6時起きを推奨されています。
この6時起きは私もずっと推奨してきたことです。実際に中学校の教師時代に陸上部の生徒たちに何度もミーティングをして6時起きを語ってきました。その結果、陸上部の生徒はかなりの生徒が6時起きをするようになりました。何が良かったというと1時間目の授業からしっかり打ち込めたことです。それで当然ですが、成績は上がりました。
そして、自然と夜は眠くなって良い睡眠がとれたようです。それはレム睡眠とノンレム睡眠のバランスが良くなったということでしょう。陸上部の生徒たちが明るく穏やかだったのもこうしたことがあるのかも知れません。
学校に早めに来て、グランドをジョギングすることが習慣化している生徒が増えました。お母さん方にもお弁当を早めに作っていただくという協力は必要になったのですが、結果的にはお母さん方にも喜ばれました。
勉強は楽しい
成田氏の言う「おりこうさん脳」は1歳~18歳くらい(中核になるのは6歳~14歳)まで成長し続けるらしいです。だからといって「からだの脳」を育てることをおろそかにしてはなりません。幼いうちに勉強させれば発達すると思い込むのは問題です。
「勉強しなさい」と言われて勉強ができるようになるわけではありません。誰にもわかることですがいやいやながらに勉強して効果が上がるとは思えません。楽しみながら勉強できると効果があります。
だから教師はいかに興味を持つことができるかなど考えて授業を考えるのです。特に最初にいかに子どもたちをその授業の中に引き込むかが大事だと言われてきました。
「動機付け」と言われますが、教育実習に行った際に担当の先生からこのことをお聞きしていかに授業の最初数分間で子どもたちの目を前に向けさせるかを考えさせられました。上手くいくと確かに授業がグイグイと進む感触を感じたものです。ところが上手くいかないと「聞きなさい!」とか、「前を見て!」と叫んでいる自分を発見したものです。
すごい教師イエス
そういう点ではイエス様はとても教えるのが上手な方だったと思います。大勢の人がイエス様の教えを聞きたくて、遠くからもやってきたのです。
こうしてガリラヤ、デカポリス、エルサレム、ユダヤおよびヨルダンの向こう岸から大ぜいの群衆がイエスにつき従った。この群衆を見て、イエスは山に登り、おすわりになると、弟子たちがみもとに来た。そこで、イエスは口を開き、彼らに教えて、言われた。
マタイの福音書4:25-5:2
人々はイエス様の心優しい言葉、しかし罪の本質もついていて、正しく生きようという意欲に満ちる話に感動したのです。
私もこんな教師になりたかったんですけどね。(笑)