ルカ4:31-37

この人から出て行け

礼拝メッセージ

説教者:八木原海師
2024/5/5 礼拝説教
【説教題】「この人から出て行け」
【聖 書】ルカ4:31-37

4:31 それからイエスは、ガリラヤの町カペナウムに下られた。そして安息日には人々を教えておられた。
4:32 人々はその教えに驚いた。そのことばに権威があったからである。
4:33 そこの会堂に、汚れた悪霊につかれた人がいた。彼は大声で叫んだ。
4:34 「ああ、ナザレの人イエスよ、私たちと何の関係があるのですか。私たちを滅ぼしに来たのですか。私はあなたがどなたなのか知っています。神の聖者です。」
4:35 イエスは彼を叱って、「黙れ。この人から出て行け」と言われた。すると悪霊は、その人を人々の真ん中に投げ倒し、何の害も与えることなくその人から出て行った。
4:36 人々はみな驚いて、互いに言った。「このことばは何なのだろうか。権威と力をもって命じられると、汚れた霊が出て行くとは。」
4:37 こうしてイエスのうわさは、周辺の地域のいたるところに広まっていった。

ルカ4:31-37
この人から出て行け

聖書を通してイエス様にお会いする

イエス様のなされたことは不思議と私達の心を救い、イエス様の教えは、私たちを正します。福音書でイエス様の言葉を読んで、ビビっと来たことがある人はいませんか?全能の神様の腕が動いて、その権威でイエス様が語っている言葉ですから、どんな人でも、誰でも、福音書を読む時に、ある意味イエス様と「お会い」し、神の働きかけを受け取ることができること感謝します。今日の箇所の、安息日に会堂に集まった人々も、イエス様の教えを聞き、イエス様の権威を肌で感じたというのです。それだけではなくイエス様が悪霊を追い出される出来事を通して、人々はもっとイエス様の権威を知ったのです。私達も、イエス様がなされたわざを見ることを通して、イエス様がただものではないお方だ、すごい、という理解を得て、さらに、全能者なる神様が私達に働きかけておられることを受け止めていきたいのです。イエス様が教えていた会堂に、悪霊につかれた人がいました。

①悪霊はイエス様に敵対した

正気を失っている人の中で、悪霊には、確固たる意識がありました。イエス様と同じ場所にいて、悪霊はイエス様と敵対していることを悟って叫びました。
4:34 「ああ、ナザレの人イエスよ、私たちと何の関係があるのですか。私たちを滅ぼしに来たのですか。私はあなたがどなたなのか知っています。神の聖者です。」
「神の聖者」とあります。悪霊はこの方が何者で、どんなことをする方なのかわかっていました。「この人は神だ、そしてこの人は聖さをもたらす者だ。」ということです。「反対に自分は、悪霊で、人に対して恐れと災いをもたらす存在だ。」というところまで悪霊にはわかっていたのです。悪霊とイエス様、同じ「人のため」でも全く別物です。イエス様の福音は嫌々でも聞きたいですね。悪霊とは違って、良いことのためにイエス様はおられるのですから。

②イエス様は悪霊を叱った

悪霊を叱っている人を見たことありますか?叱られて「今、私ではなくて悪霊が叱られている」と思う人はいません。イエス様は悪霊を強い口調で叱りつけました。35節を読みましょう。
4:35 イエスは彼を叱って、「黙れ。この人から出て行け」と言われた。すると悪霊は、その人を人々の真ん中に投げ倒し、何の害も与えることなくその人から出て行った。
「何の害も与えることなく」とあります。「黙れ。この人から出て行け」と言われ、悪霊は、本当に黙って、憑りついていた人をそこに置いて出て行ったのです。つまりイエス様の言葉通りに悪霊は動いたということです。別の命令を出したら悪霊は従ったのかもしれませんが、イエス様は、悪霊が黙り、出ていくことが、その人にとっての最善と考えてお命じになったのです。イエス様のなさったことのすごいことは、憑りつかれている人に指図したのではなく、悪霊の方を叱ったということです。そしてイエス様がすごいということは、居合わせた人々もわかりました。

③イエス様の力

人々は最初、会堂で教えを聞いて、権威ある教えだと気づき、その後、実際に悪霊がイエス様に敵対して、イエス様はその悪霊に向かって叱って追い出したのを見ました。やっぱり権威と力のある方だと、人々は気づいたのです。

人々はみな驚いて、互いに言った。「このことばは何なのだろうか。権威と力をもって命じられると、汚れた霊が出て行くとは。」

4:36

イエス様の力は、ずっと開かない南京錠のように、長い間放っておかれてきた部分を開ける鍵のような力です。私達にとって、気付きもしないような部分が、イエス様によっていつの間にか解きほぐされていくことがあるのです。御言葉を読んで何かを感じているなら、どこかの鍵が開いたということです。

まとめ
私達はイエス様をお招きしていきましょう。今日の御言葉から、イエス様は悪霊とは対極におられる聖い方で、また、全ての人に良いことをしようとされる神なるお方だということを見ました。実際にイエス様は、憑りつかれた人ではなく、悪霊のほうを直接叱りつけ従わせました。そのようなことができる、力あるお方は、今日も私達に御言葉を通して解放と安らぎを与えてくださるのです。私達はイエス様を受け入れ、山あり谷ありの人生かもしれないけれど、そこに共にいて、時に教え、時に癒すイエス様に感謝を捧げつつクリスチャンとして歩んでいきましょう。