壁を超える
説教者:八木原知宏師
2024/5/12 礼拝説教
【説教題】「壁を超える」
【聖 書】使徒の働き 1:8
しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります。」
使徒の働き 1:8
2021年の世界中がコロナ禍にあった時、日本人の若者の「僕に夢を送ってください。」という発信をきっかけに「We have a dream」という本が誕生しました。この本を通して、世界の人と繋がる可能性が見えてくるのです。
私たちの神様も「世界」をいつも見るお方です。
それは、神様の願いがすべての人が救われる」ことだからです。その実現方法は使徒の働き1:8にある通りです。この箇所は、父の約束(1;4-5)を理解できなかった弟子達のためにイエス様が言われた言葉です。私たちが抵抗できないほどに聖霊が迫ってきて、聖霊に満たされる時、私たちは「イエス様を世界中に伝える証人」の力を得ます。この体験を、教会では「聖霊のバプテスマ」と呼びます。世界へ出て行く証人には多くの壁があります。初めのペンテコステの日、聖霊のバプテスマを受けた弟子達はその壁を超えました。そして、現代を生きる私たちもその壁を超えます。
ことばの壁を超える(2:4-13)
初めのペンテコステの日、聖霊のバプテスマを受けた弟子達には、他国のいろいろな言葉を語るという“証拠”が与えられました。今まで話したことのない、聞いたことのない言葉が出てくることを、教会では「異言」と言います。水のバプテスマを受けた時、体のどこかしらの部分は濡れ、自分も周りの人も「洗礼を受けた」と確信します。「異言」は聖霊のバプテスマを受けた証拠です。この箇所では「炎のような舌」という表現を持っても、私たちの「言葉」を神様はとても注目していると考えられます。
私たちが言葉の壁を超える必要があることには、2つの理由があります。
➀自分を超えて行く必要
人が舌を支配されるということは、体が支配されることです。聖霊のバプテスマを受けた時、舌が捕らえられたことは、自分を超えて神様が自分のうちに働いている証拠となります。
②誰もがわかる証拠
使徒の働きで目立つのは、すべての人が疑う余地のないくらいにはっきりとした“証拠”が伴う働きをしていることです。
「異言」が口から出るとき、自分も周りの人も「自分は、この人はイエスの証人なんだ」とはっきりと確信させるのです。そのことを神は大事にされました。
プライベートとパブリックの壁を超える(2:14-36)
救われた恵みは、どんな場所でも、どんな時でも神様の愛と希望を体験し、実践できることです。けれども、私たちは無意識のうちに、場所や時によって「クリスチャンの自分」とそうではない自分を分けている時があるかもしれません。弟子達もそうでした。イエス様といるときは堂々と信仰を口にしたけれど、イエス様が居なくなったとたん隠れていました。しかし、聖霊のバプテスマの体験によって、隠れ場(プライベート)から彼らは外(パブリック)へ出て、人々に救いの道を語りました。プライベートでもパブリックでも彼らはイエス様を信じる者として顔を上げて歩み始めたのです。
私にとって聖霊のバプテスマの体験は、恐れと謙虚さをもって、日々御言葉と祈りに向き合わせる体験です。
聖霊のバプテスマは「自分は救われているんだ」「証人なんだ」という確信を与えて、プライベートとパブリックを超える力となります。
人同士の違いの壁を越える
当時のエルサレムは、格差のすごい場所でした。違う階級、民族の人が一緒になることはありません。しかし、聖霊のバプテスマはその壁を打ち壊すことができました。
今のユースは「Z世代」言われています。彼らの特徴は、フェイク(偽物)に囲まれているからこそ「本物に飢えている」ということです。聖霊は、Z世代の若者にも本物(福音)が伝わるように、ここにいる一人ひとりに働かれます。私たちが今礼拝をしている間にも多くの人が孤独の中で苦しみ、差別を受けています。私たちの神はそんな悲しみや痛みの中でも希望と愛を与えて下さる方です。今、多くの人がその神を必要としています。
フェイクばかりの世の中で、みなさんは次の世代の人々に対し、何が揺るがない、永遠に変わらない真実なのかはっきり言えますか?
キリストの十字架と復活による救いは決して変わらない真実です。
私たちの隣の人が、この国が、この世界がわたし達を待っています。
結び
ですから、あなたがたは悪い者であっても、自分の子どもたちには良いものを与えることを知っています。それならなおのこと、天の父はご自分に求める者たちに聖霊を与えてくださいます。
ルカ 11:13
祈り求める人に、天の父なる神様は聖霊のバプテスマという良いものを与えて下さいます。
Posted by shinnakano
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