ルカ10:38-42

必要なことは一つだけ

礼拝メッセージ

説教者:八木原海師
2024/6/9 礼拝説教
【説教題】「必要なことは一つだけ」
【聖 書】ルカ10:38-42

10:38 さて、一行が進んで行くうちに、イエスはある村に入られた。すると、マルタという女の人がイエスを家に迎え入れた。
10:39 彼女にはマリアという姉妹がいたが、主の足もとに座って、主のことばに聞き入っていた。
10:40
ところが、マルタはいろいろなもてなしのために心が落ち着かず、みもとに来て言った。「主よ。私の姉妹が私だけにもてなしをさせているのを、何ともお思いにならないのですか。私の手伝いをするように、おっしゃってください。」
10:41 主は答えられた。「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことを思い煩って、心を乱しています。
10:42 しかし、必要なことは一つだけです。マリアはその良いほうを選びました。それが彼女から取り上げられることはありません。」

ルカ10:38-42
必要なことは一つだけ

福音が旅をして届く

イエス様が生涯でなさった大きなことの一つは、「神の国が近い」と町々に宣べ伝えたことです。イエス様は福音、良い知らせを伝えたという言い方もします。ではその宣伝方法は何かと言うと、旅のように巡り歩いて伝える方法でした。福音書を読んでいると、神の子であるイエス様から始まった福音宣教が、弟子たちに託され、弟子たちもまた、町々に自分の足で出て行って福音を届けるのです。9章を読むとわかりますが、弟子たちの旅には福音を伝えるという単純で明確な一点に集中した目的がありますから、それ以外のことがそぎ落とされた、質素な旅でした。ある意味、イエス様や弟子たちが、旅をしたというより、福音が旅をしていくようです。ある時福音は、おそらくベタニアという村のある家にも届きました。マルタとその姉妹マリアの家です。私達は今日、たった一つの目的のために旅をしてきた福音を前にして、必要なことはたった一つと教えたイエス様を見ていきましょう。イエス様は、マルタにもてなされ、家に迎え入れられました。

① 主のことばが語られる

やはりマルタの家でも主の言葉は語られました。弟子たちや家の他の人たちも、またマリアも主の言葉が語られる時、そこにいました。
10:39 彼女にはマリアという姉妹がいたが、主の足もとに座って、主のことばに聞き入っていた。
「主の足もと」「主のことばに聞き入っていた」とあります。マルタの姉妹のマリアは待ち焦がれていたイエス様の言葉がこの村で、しかも自分の家で語られることが嬉しくて、特等席に座っていました。私達にも、イエスキリストという救い主、良い知らせがもう届いています。全ての人がイエス様を神、主として受け入れることができるように、十字架を通して道が整えられたのです。

② たくさんではない

マリアが話を聞いている一方、マルタは忙しくしていました。マルタには、普通、人が来るというのだからこのくらいするという、おもてなしの完成形のイメージがありました。やることが多いのにマリアが手伝わないので、マルタはイエス様にマリアに手伝わせるようお願いします。ところが、イエス様はシンプルに福音が届けられているこの状況に対して、やることはたくさんではないとマルタに教えたのです。
10:40
ところが、マルタはいろいろなもてなしのために心が落ち着かず、みもとに来て言った。「主よ。私の姉妹が私だけにもてなしをさせているのを、何ともお思いにならないのですか。私の手伝いをするように、おっしゃってください。」
10:41 主は答えられた。「マルタ、マルタ、あなたはいろいろなことを思い煩って、心を乱しています。
私達は、神の語り掛けを純粋に受け止めたいです。

③ 取り上げられない主のことば

イエス様の言葉を聞いていたマリアは、そこに座って話を聞いた時、10や20ある選択肢の内の一つではなく、これしかないという必然として聞くことを選んだのでした。反対に言うと、マリアは、それ以外興味ないかのように没頭していました。神は、そのマリアから、主のことばをとりあげるようなことはされないお方です。
10:42 しかし、必要なことは一つだけです。マリアはその良いほうを選びました。それが彼女から取り上げられることはありません。」
誰しも、信仰の中で、理由など無く神をあえぎ求めるような単純な部分を持ち合わせているのだと思います。ある人に言わせれば愚かで、幼く、もろいです。しかし神様はそういう部分を心から尊いものだと思っておられます。

まとめ

神の良き知らせ、福音が、マルタとマリアの家にもやってきました。私達にも福音はやってきました。イエス様を信じ、多くのことではなくて、神様の語り掛けを聞く歩みをしていきたいです。もし忘れていたなら、神様を、御言葉を慕い求める思いをもう一度思い出し、それを神様は取り去らないことを覚えましょう。