朝にも居場所を
新聞記事より
朝日新聞2023年12月22日朝刊の記事を引用します。
早朝も安心、子どもの居場所
校庭・学童開放、共働き家庭のニーズ高まり
早朝の校庭開放など、朝の子どもの居場所づくりが広がっている。登校時間より早く保護者が出勤する家庭では、短い時間でも子どもが1人になってしまうからだ。共働き家庭の増加や、教員の働き方改革で、かつてより開門時間が遅くなっていることなどが背景にあるようだ。
東京都八王子市の市立由井第一小学校の校庭に、子どもたちが駆け込んできた。10月末の平日午前7時45分。人数はあっという間に50人以上に。サッカーをする子、おしゃべりする子……。3年の男子児童は「早起きも全然平気」。
同小では5月、朝の校庭開放を始めた。午前7時45分から8時15分まで校庭で過ごせる。地域の団体に委託し、毎朝5人体制で子どもを見守る。
2年ほど前まで開門は午前8時で、外で20~30人が待っている状態だった。緒方礼子校長は「教員の勤務時間前で、何かあっては困ると門の中には入れない対応だった」。ところが、近隣から「道路に出て危ない」などと意見が来るように。昨年からは門を入った所で待たせていた。
この地域は都心で働く保護者が多く、出勤時間が早い。1人でカギを閉め登校する子や、保護者と家を出て校門で待つ子が多かった。地域の要望も受け、朝の校庭開放に踏み切った。保護者からは好評だ。早起きをする子も増えた。不登校気味だった子も来るように。緒方校長は「ひと遊びして頭がさえるのか、1時間目から活力を感じる」。
市によると、市内70校のうち朝の校庭開放は4校。担当者は「地域の協力が得られるところでないと実現は難しい。ただ関心は高く、市として支援したい」と話す。東京都三鷹市は11月、市立全15小学校で朝の校庭開放を始めた。共働き家庭が多く、ニーズが高かったという。時間は午前7時半から始業までの約1時間。予算をつけ、開門や見守りは業者に委託する。市立南浦小では初日に400人近くが校庭で過ごした。門野吉保(かどのよしやす)校長は「子どもの体力向上にもつながり生活リズムも整う。教員にとってもありがたい」と語る。
学校敷地内の学童保育施設を使った「朝の子どもの居場所づくり事業」を行うのが神奈川県大磯町だ。2016年から町立2小学校で実施する。利用者は増え、昨年度の利用者の延べ人数はこの5年で2倍となった。
朝日新聞2023年12月22日朝刊 早朝も安心、子どもの居場所
午前7時15分から8時半までの間、地域の有償ボランティアや指導員らが子どもを預かる。元々は8時15分までだったが、教員の働き方改革で一昨年から開門が遅くなり、8時半に延長した。保護者負担は1人年300円の保険料のみだ。
3年の女子児童の母親(39)は、午前7時57分発の電車に乗らなければ始業に間に合わない。子どもは家に残されるのを嫌がり、早く家を出ると昇降口の前で長く待たせることになる。「ここがないと本当に困る。ありがたい」。女子児童は「自分で家のカギを閉めると、なくさないか心配だった」。
町には、今年だけでも京都や長野、静岡などから視察があった。事業が続いているのは、送迎の手間がかからず、子どもを見守る人材も確保できているからだという。(平山亜理、足立朋子)
朝のジョギング
私の教師時代、正門の扉も7時半までだったか警備会社による機械警備で閉まっていました。そして、7時半には生活指導の先生が出勤されていました。そこで、新米教師の私も7時半には出勤するようにしました。さらに朝にジョギングしたい思いから7時に出勤するようにしました。
7時過ぎからグランドをゆっくりゆっくりジョギングしました。40分くらい走るのですが、とても気持ち良かったです。スカッとして職員朝礼に臨み、朝のホームルームに向かいます。寝ぼけ眼の生徒達がいますが、私はスッキリしていました。もちろん1時間目の授業からしっかり授業できます。一方生徒はといえば、1時間目はあまり集中できない感じです。
ある時、私がグランドをジョギングしているのを見た陸上部の生徒が「オレも走ってもいい?」と言うので、校長に確認し、私のいる7時半からなら良いということで承認していただけました。最初は数名の陸上部の生徒が7時半に登校してきました。また、先生方の中でも健康のためにと走ることにされた方が数名おられました。
グランドが生徒でいっぱい
その内、陸上部の生徒がどんどん増え、さらにその他の生徒達も増え、ジョギングだけではなく、サッカーをする生徒も出てきました。ほとんどの生徒は8時前から走り出すのですが、私と一緒に走る生徒は7時半からでした。いつ頃からかグランドは毎朝生徒で一杯になりました。すると、面白いことに1時間目の授業から集中できる生徒が増えたのです。この朝日新聞の記事で校長先生が言われた「ひと遊びして頭がさえるのか、1時間目から活力を感じる」とある通りでした。
休み時間のグランド
似た話に小学校で8日間だけ6年生の担任というアルバイト教師をしたことがあるのですが、その時給食後の休憩時間にグランドが見事にガラーンとしているのを見たのです。私にはそれはとても不思議な光景でした。私の小学生時代といえば、休み時間のグランドは子どもでいっぱいだったからです。不思議に思い、クラスの児童になぜグランドで遊ばないのか聞きましたが、不思議そうな顔をしていました。外に出ないのが当たり前になっていたみたいです。
そこで、私は教室にあったドッジボールを持ってグランドに何人かの子ども達を連れて出て「バラ当て」というのをしました。みんなすごく楽しそうで、気がつくと校舎のあちこちの窓から子ども達が私達を見ているのに気がつきました。「一緒に遊ぼう!」と声をかけると、なんと1年生も出てきて一緒にボール遊びをすることができました。
その翌日から、どんどんグランドに出る子ども達は増えました。元気なはしゃぎ声がグランドに響くのは私には心地良かったです。8日間で私はその小学校を離れましたが、その後も子ども達が休み時間にグランドで遊ぶのは続いたそうです。
朝も居場所が必要
子どもの居場所づくりは大きな課題で、相当前から検討されてきました。しかし、学童保育(学童クラブ)・アフタースクールだけでは対処できない現状があります。
基本、放課後だったのですが、冒頭の新聞記事のように、朝も子ども達の居場所の必要を感じるようになったわけです。実際、そこで朝の校庭開放をしたところ、生徒達の早起きと授業前に体を動かすことで頭も体も目覚めて授業に集中できるようになったのです。体を動かす楽しさを覚えることは自然とゲームなどにはまり込むことを防いでいます。また、体を動かし、早起きなので、早寝も身に着いていくのです。
朝にも子どもの居場所をつくることでこうした効果も出てくるということです。
あちこちで取り組みしている
八王子市立由井第一小学校ホームページより
朝の子供教室の様子より
4月25日(火)
今日から「朝の子ども教室」が始まりました。朝の子どもたちの居場所づくりとして、放課後子供教室と同じ仕組みを使い、学運協委員をはじめ地域の方たちが協力しながら企画し、運営体制を作って始めることができたものです。
「今日から、朝も遊べるんだよね!!」
と、校門前で楽しみに待っていた子どもたちです。委員の方に門を開けてもらうと、一斉にランドセルを昇降口において校庭に飛び出してきました。
サッカーをしたりバスケットをしたり、フラフープや校庭の遊具で遊んだりと、朝から元気いっぱいの子どもたちです。
こうして朝の居場所や子どもたちの遊びの見守りが実現できたのも地域力のたまものです。ありがとうございます。
三鷹市教育委員会では、
朝の開放事業は、教育委員会が三鷹市シルバー人材センターに委託して実施するものです。7時30分から学校の始業時の8:15まで、見守り・声掛けなどのため2人配置されます。
朝に元気を!
聖書にこんな言葉があります。
夕暮れには涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある。
詩篇30:5
朝に校庭から元気な声が聞こえると嬉しいではないですか。教会も礼拝中に赤ちゃんの泣き声や幼子の笑い声などが聞こえると何かしらホッとします。子ども達が元気だということが大人の嬉しさにつながるのではないでしょうか。
子ども達が朝気持ち良く目覚めてくれることはなんと嬉しいことでしょう。朝にお母さんの笑顔を見て、食事をして、送り出してもらえる子ども達は幸いだと思います。