ヤコブがイスラエルに変えられる

礼拝メッセージ

2022/3/13 礼拝説教
【テーマ】  真の礼拝者になる
【説教題】 「ヤコブがイスラエルに変えられる」
【聖書箇所】 創世記35章

35:1 神はヤコブに仰せられた。「立って、ベテルに上り、そこに住みなさい。そしてそこに、あなたが兄エサウから逃れたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい。」
35:2 それで、ヤコブは自分の家族と、自分と一緒にいるすべての者に言った。「あなたがたの中にある異国の神々を取り除き、身をきよめ、衣を着替えなさい。
35:3 私たちは立って、ベテルに上って行こう。私はそこに、苦難の日に私に答え、私が歩んだ道でともにいてくださった神に、祭壇を築こう。」
35:4 彼らは、手にしていたすべての異国の神々と、耳につけていた耳輪をヤコブに渡した。ヤコブはそれらを、シェケムの近くにある樫の木の下に埋めた。
35:5 彼らが旅立つと、神からの恐怖が周りの町々に下ったので、だれもヤコブの息子たちの後を追わなかった。
35:6 ヤコブは、カナンの地にあるルズ、すなわちベテルに来た。彼とともにいた人たちもみな一緒であった。
35:7 彼はそこに祭壇を築き、その場所をエル・ベテルと呼んだ。それは、彼が兄から逃れたとき、神がそこで彼に現れたからである。
35:8 リベカの乳母デボラが死に、ベテルの下手にある樫の木の下に葬られた。それで、その木の名はアロン・バクテと呼ばれた。
35:9 ヤコブがパダン・アラムから帰って来たとき、神は再び彼に現れ、彼を祝福された。
35:10 神は彼に仰せられた。「あなたの名はヤコブである。しかし、あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルが、あなたの名となるからだ。」こうして神は彼の名をイスラエルと呼ばれた。

創世記35章

○ 結婚して名字が変わる人はたくさんいますが、名前を変えられた人はいますか? 聖書には名前を神によって変えられた人が何人か登場します。その中でも国名になる名前に変えられたのがヤコブでした。その名を「イスラエル」とされたのです。

逃げるヤコブ

自分の家畜を殖やす

    1.この35章にくるまでに、ヤコブとラバンのずるさ、そして、ラケルが偶像を盗む話など人間の罪深さが聖書には書かれています。良くない伯父との関係、二人の妻レアとラケルの良くない関係、さらにそこにもう二人の妻・女奴隷がいて4人の妻を持つヤコブ。本当に変な家庭です。

    2.ラバンとの生活に嫌気がさしてヤコブは独り立ちを考えていました。独り立ちのためには経済力がなければなりません。彼はラバンの家畜の世話をしていましたが、自分の家畜を殖やして独り立ちすることを考えました。そこで、悪巧みを考えて自分の家畜が殖えるように企みました。

こっそり出て行く

    1.十分家畜も持つことができたところで、遂にヤコブは故郷に帰ることにしました。その時、ラバンに話をして出て行けばよかったのに、気づかれないようにこっそり逃げたのです。神に信頼していない姿ではないでしょうか。

    2.この時にラケルはラバンの持つ偶像テラフィムを盗んでいます。このテラフィムは占いにも使われたようで、ラバンの元を逃げ出したヤコブをラバンはテラフィムを使って占い、居場所を知るかも知れないと思ったのかも知れません。また、テラフィムは第一相続人が受け継ぐということだったらしいので、ラケルは父の相続者となろうとしたのでしょうか? とにかく、偶像と切り離されなかったのです。大問題ですね。

恐れに満ちるヤコブ

エサウの怒りを思い出す

    1.ラバンの元を出て故郷へと向かったものの、ヤコブには20年前の兄エサウの怒りが忘れられないで頭にこびりついています。故郷が近づいてきた時に彼は恐れが込み上げてきました。ここで彼は神を信じて堂々と兄エサウの元には行くことができませんでした。

    2.ヤコブはエサウが自分と愛する家族を殺すことを想像しました。恐れはどんどん悪い事を想像してしまいます。彼は家族と家畜などを二つにわけ、愛するラケルたちは自分と一緒に後を行き、前を行くものが襲われたら逃げるつもりでした。信仰者とは思えないですね。

必死で祝福を求める

    1.そして、ヤボク川の渡し場を渡った時(32:22)、ヤコブの恐れは最高値に達したのでしょう、ヤコブ一人がそこに残りました。そこで、ある人(天使なのか人なのか?)と夜明けまで格闘することになりました。彼はこの「ある人」を誰と思ったのでしょうか?「祝福してくれるまで離さない」と必死で取っ組み合いをするのです。

    2.そこで、遂にこの「ある人」は 

「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたが神と、また人と戦って、勝ったからだ。」

創世記 32:28

と、ヤコブを祝福し、彼の名を「イスラエル」と変えました。この名前が今日まで残り、国名とされています。このヤコブの必死なまでの願いは「真剣な祈り」としてよく取り上げられます。どうもここでヤコブは大きく変化しているようです。

宗教改革をしたヤコブ

偶像を取り除くヤコブ

    1.祝福されたヤコブに 

神はヤコブに仰せられた。「立って、ベテルに上り、そこに住みなさい。そしてそこに、あなたが兄エサウから逃れたとき、あなたに現れた神のために祭壇を築きなさい。」

創世記 35:1

 と、命じられます。 

それで、ヤコブは自分の家族と、自分と一緒にいるすべての者に言った。「あなたがたの中にある異国の神々を取り除き、身をきよめ、衣を着替えなさい。35:3 私たちは立って、ベテルに上って行こう。私はそこに、苦難の日に私に答え、私が歩んだ道でともにいてくださった神に、祭壇を築こう。」 

創世記 35:2

と、とても信仰的なことを言いました。

    2.ラケルは偶像を持っていました。他にも何か 異国の神々 があったのでしょう。それを取り除くという宗教改革を行っています。どんな偶像も占いも捨て去るべきなのです。使徒行伝に出てくるエペソの救われた人たちが 

また魔術を行っていた者たちが多数、その書物を持って来て、皆の前で焼き捨てた。 

使徒 19:19

と、魔術的なものを捨てたようなことです。

祭壇を築くヤコブ

    1.そして次にヤコブは祭壇を築いています。アブラハムが祭壇を築いた人生を送ったように、ヤコブにも信仰が現れます。祭壇を築くとは神に礼拝を献げることです。現代はこれも特に目に見える祭壇は必要ありません。今や礼拝はまさに霊的なのです。

    2.現代の礼拝、イエスの十字架と復活後は生贄を必要としませんから、賛美と祈りと御言葉と献金、時に聖餐式などです。私たちもこの礼拝を献げることで神に祝福されます。 

ですから、兄弟たち、私は神のあわれみによって、あなたがたに勧めます。あなたがたのからだを、神に喜ばれる、聖なる生きたささげ物として献げなさい。それこそ、あなたがたにふさわしい礼拝です。
この世と調子を合わせてはいけません。むしろ、心を新たにすることで、自分を変えていただきなさい。そうすれば、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に喜ばれ、完全であるのかを見分けるようになります。 

ローマ12:1-2

と、ある通りです。

● 人の性格はそう簡単に変えられるものでは無いです。恐がりは不信仰でしょうか? ヤコブがエサウを大変恐れましたが、そこが彼の性格なのでしょう。確かに神は「恐れるな」と言ってくださいますが、なかなか恐れが消えるものではないでしょう。でもそこで、神に信頼するのです。ヤコブの宗教改革のようなことが私たちにも必要な時があるかも知れません。

★ ヤコブがイスラエルに変えられたように、私たちは死からいのちに変えられました。それは礼拝しなかった者が、真の礼拝ができる者に変えられたということです。ですから、自らの意志をもって悪しきものを排除し、神に喜ばれる生活を心がけたいですね。