「そのうえで、わたしに従って来なさい」
十戒と福音

「そのうえで、わたしに従って来なさい」

礼拝メッセージ

2022/8/14 礼拝説教
【テーマ】  十戒と福音
【説教題】 「そのうえで、わたしに従って来なさい」
【聖書箇所】 マタイ19:16-26

19:16 すると見よ、一人の人がイエスに近づいて来て言った。「先生。永遠のいのちを得るためには、どんな良いことをすればよいのでしょうか。」
19:17 イエスは彼に言われた。「なぜ、良いことについて、わたしに尋ねるのですか。良い方はおひとりです。いのちに入りたいと思うなら戒めを守りなさい。」
19:18 彼は「どの戒めですか」と言った。そこでイエスは答えられた。「殺してはならない。姦淫してはならない。盗んではならない。偽りの証言をしてはならない。
19:19 父と母を敬え。あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。」
19:20 この青年はイエスに言った。「私はそれらすべてを守ってきました。何がまだ欠けているのでしょうか。」
19:21 イエスは彼に言われた。「完全になりたいのなら、帰って、あなたの財産を売り払って貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい。」
19:22 青年はこのことばを聞くと、悲しみながら立ち去った。多くの財産を持っていたからである。
19:23 そこで、イエスは弟子たちに言われた。「まことに、あなたがたに言います。金持ちが天の御国に入るのは難しいことです。
19:24 もう一度あなたがたに言います。金持ちが神の国に入るよりは、らくだが針の穴を通るほうが易しいのです。」
19:25 弟子たちはこれを聞くと、たいへん驚いて言った。「それでは、だれが救われることができるでしょう。」
19:26 イエスは彼らをじっと見つめて言われた。「それは人にはできないことですが、神にはどんなことでもできます。」

マタイ19:16-26

○ 先週、十戒をイエスがどのように捉えておられたかを見て、イエスを私達の心に迎えることで私達を神の子としてくださることを知りました。それはイエスにしか十戒は守れなかったのであり、私達は罪人であることを教えられるものでした。しかし、今日登場する青年は十戒を守っていると言うのです。果たしてそうなのでしょうか?

どんな良いことをすればよいのか?

これからを悩む人々

    1.一人の真面目なユダヤ人青年がイエスの所にやってきました。彼はユダヤ人が決めた律法を必死で守ってきた真面目な青年だと思います。しかし、そういう彼の悩みは 「先生。永遠のいのちを得るためには、どんな良いことをすればよいのでしょうか。」 という悩みでした。こういうことは現代でも同じです。

    2.ニコデモというユダヤ人指導者が悩んでイエスの所にやってきた話がヨハネの福音書3章に出てきますが、彼は晩年になってこれから自分の行くところに不安が生じ悩んでいました。年齢に関係なく、真面目に悩む人は多くいるのです。また、真面目な人ほど悩むのかも知れません。

何が欠けているのか?

    1.イエスは青年の質問に何と答えられたでしょうか? 19:17 ・・・いのちに入りたいと思うなら戒めを守りなさい でした。戒めとは 「殺してはならない。姦淫してはならない。盗んではならない。偽りの証言をしてはならない。父と母を敬え。あなたの隣人を自分自身のように愛しなさい。」 で、要は「十戒を守れ」でした。ということはやはり神の国に入るためには十戒を守ることなのでしょうか。

    2.この青年はすごいことに、これらのことは全部守ってきたと言っています。彼は良い事をしてきたというのです。(皆さんも結構十戒を守っておられるのでは無いですか。)だったら平安でいられるはずなのに彼は悩んでいます。 「私はそれらすべてを守ってきました。何がまだ欠けているのでしょうか。」 と、律法を守っているにもかかわらず平安がないから何か欠けていると思っているのです。

イエスに従っていくこと

財産を売り払って・・・?

    1.この青年の悩みに対するイエスの答は 19:21 「完全になりたいのなら、帰って、あなたの財産を売り払って貧しい人たちに与えなさい。そうすれば、あなたは天に宝を持つことになります。そのうえで、わたしに従って来なさい。」 でした。ただ、イエスに従って来い」だけではなく、 あなたの財産を売り払って貧しい人たちに与え てが付いています。このイエスの答えに 19:22青年はこのことばを聞くと、悲しみながら立ち去った。 と、イエスに真面目に相談したらますます悩むことになってしまいました。なぜかというと 多くの財産を持っていたからである。 と、彼はイエスに従うことよりもお金が大事だったからです。(イエスのこの言葉は正しく理解しないとカルト宗教になります。)

    2.イエスはこの青年に わたしに従って来なさい。 と言われましたが、果たしてこの青年はイエスに従うつもりで質問しに来たのでしょうか? 「あなたはそれだけ律法を守っているので立派です。あなたはいのちに入れます」とでも言ってもらうことで平安を持とうとしていたのでしょうか?

イエス・キリストより大事なものはあるか?!

    1.いのちに入るにはイエスに従って行くことが必要なのです。そのためにはイエスよりも大事にしているものは捨てなければなりません。お金や物を持っていない人は私は大丈夫と思っているかも知れませんが、案外「自分自身」が捨てられないのです。自分が偶像化している人がいるのです。

    2.福音とは何でしょうか? 色々な言い方ができるかもしれませんが、[GOOD NEWS]「良き知らせ」ですから、世界最大の良き知らせは何と言っても「イエスを信じる者は皆救われる」ということではないでしょうか。

従うのは難しいのか?

初代教会の信徒に倣う

    1.この青年のようにクリスチャンになったのに「何か欠けている」と感じるクリスチャンが多いのです。それは、イエスに従っていないからです。福音が真の福音になるのは、私達とイエスが一体化してこそなのです。

    2.じゃ、具体的に「従う」とは何か? イエスの弟子達、特に使徒行伝を見ればいいですね。彼らは何をしていますか? 真っ先に礼拝です。祈りです。互いに助け合い、励まし合っています。伝道、奉仕。そうです。今だって教会がやっていることではないでしょうか。ただ、この青年は何かをすることで救われると思っていたのです。

神にはどんなことでもできる

    1.弟子達も財産を売り払って貧しい人に与えたか考えたことでしょう。たぶんできていないのです。だから 「それでは、だれが救われることができるでしょう。」 と聞きます。大事なイエスの答は 19:26 イエスは彼らをじっと見つめて言われた。「それは人にはできないことですが、神にはどんなことでもできます。」 でした。救いは神のなさることです。私達の努力ではないのです。しかし、ある種の努力は有効です。それは「捨てる」ということです。

    2.私達は神のために生きるのに邪魔なものを抱えこんでいないでしょうか? あの青年はお金を抱え込んでいました。それを捨てたくなかったのです。私達はどうでしょうか? 何を捨てるべきでしょうか?

★ どうもスッキリした信仰生活をしていないと言う人の背景にはイエスに従っていないことがあります。イエスに従えば苦難もありますし、大変なこともありますが、充実するのです。イエスを信じればあなたは救われているのです。 そのうえで、わたしに従って来なさい。 と言われるイエスの言葉にあなたはどのように応答しますか?