母の日・母から受け継ぐ信仰
母の日・母から受け継ぐ信仰

母の日・母から受け継ぐ信仰

礼拝メッセージ

2021/5/9 礼拝説教
【テーマ】  母親に見る信仰継承
【説教題】 「母の日・母から受け継ぐ信仰」
【聖書箇所】 Ⅱテモテ1:5

私はあなたのうちにある、偽りのない信仰を思い起こしています。その信仰は、最初あなたの祖母ロイスと母ユニケのうちに宿ったもので、それがあなたのうちにも宿っていると私は確信しています。

Ⅱテモテ1:5

○ 今日は母の日です。

母の日・母から受け継ぐ信仰

母の日の由来

第二日曜日に決められた母の日

    1.母の日というのはかなり昔から世界各国にありました。私たちが5月の第二日曜としているのは、1914年に当時のアメリカ大統領ウィルソンが母の日と制定し、国民の祝日としたことにあります。それは、アンナ・ジャービスが、1905年5月9日に亡くなった母アン・ジャービスを追悼しようと、1907年5月12日、母が日曜学校の教師をしていた教会で記念会をもち、白いカーネーションを贈ったことに発します。

    2.日本では、明治末期頃にキリスト教を通じてカーネーションを配る母の日が伝わり、 1915年(大正4年)に教会で行われてから、一般にも少しずつ広まっていきました。1931年(昭和6年)には、皇太后の誕生日である3月6日を母の日とし、1937年(昭和12年)に森永製菓が告知をしたことで、母の日は全国的に広まり、1947年(昭和22年)に、公式に5月の第2日曜日が母の日となりました。

アン・ジャービスの献身的な働き

    1.アンナ・ジャービスの母親に感謝をする日から始まりましたが、牧師と結婚した母アンがアンナを授かる前後、アメリカは南北戦争中でした。この時、アンは女性で結成していた「母の日ワーククラブ」という団体を率いて、敵味方関係なく戦争で負傷した兵士の手当てや看護を積極的に行いました。戦後も彼女は「母の友情の日」として、まだ火種がくずぶっていた南北の敵同士を結び付けるための平和活動を行います。彼女の活動は多くの人々に感銘を与え、アメリカの平和に貢献しました。アン自身も10人与えられた子どもの8人を戦争や病気で失っていました。

    2.アンの死後、そのような母の活動や功績に心を打たれた娘のアンナは、母へ敬意を表すとともに追悼の意を込めて集会を開きました。その時、亡き母が好きだった白いカーネーションを参加者に配ります。ただし、アンナは「アン・ジャービスの日」とはしませんでした。あくまで「母の日」であり、一人ひとりがお母さんの子どもとして、お母さんに感謝をしたり敬意を払ったりする日、としたのです。

テモテに信仰を与えた母ユニケ

テモテに聖書を教えた母ユニケ

    1.聖書に信仰の女性達、信仰の母が登場します。その一人が今日のユニケです。かと言ってこのユニケのことが詳しくわかるほどに聖書は書いていません。彼女はユダヤ人でしたが、夫はギリシャ人(異教徒)でした。そこに生まれたのがテモテ。おばあちゃんはロイスです。テモテとは「誉れ」という意味があるそうです。

    2.聖書はこのロイスとユニケがクリスチャンになっていることを伝えています。二人は敬虔なユダヤ教徒であって、その子テモテにもユダヤ教の教えをしっかり伝えてきたようです。その彼女が異教徒と結婚したのはなぜかはわかりません。

    3.勝手な想像ではパウロの第一次伝道旅行(使徒14章)で、彼らのいたリステラ(ルステラ)に行った時に、ロイスとユニケ、テモテはクリスチャンになったのかもしれません。あるいはパウロが去った後に、ロイスとユニケの伝道でテモテもクリスチャンになったかも知れません。

テモテを献身者へと導いた母ユニケ

    1.パウロの第二次伝道旅行の時このテモテを連れていきます(使徒16章)。その後、第三次伝道旅行にも同行し、エペソ教会の監督にもなります。このような献身者になった背景にはロイスとユニケの働きがありました。幼いときから聖書を教え、祈ってこられたからです。

    2.父親はクリスチャンになったかどうかわかりませんが、日本の教会にもこのようなケースがたくさんあります。父親は未信者であっても、母親がクリスチャンで子ども達を信仰に導き、良き働き人に育てている方が大勢いらっしゃいます。

母親の祈りが子どもを救う

リンカーンを育てた母の信仰

    1.アメリカ合衆国、第16代大統領アブラハム・リンカーンの母親は、彼が9歳の時に亡くなりました。リンカーンは母親と過ごした記憶が、たったの9年間しかありませんでした。しかし、リンカーンの母親は、常に彼を膝にのせて、聖書を読み聞かせ、賛美歌を歌い、そして彼のために、毎日、口に出してお祈りをしていたそうです。

    2.リンカーンは、大統領になる前、16年間、弁護士として働きました。その間も、彼の心の中には常に母親の言葉、「Abe, いつも正直でいなさい。」という言葉があったそうです。彼が、とても正直で、誠実な弁護士であるという評判は、弁護士たちの間でも有名であり、時には法廷で争う相手側の弁護士であっても、リンカーンのその人柄を認めていたそうです。

    3.アメリカ合衆国、大統領になった後、リンカーンは、このように言いました。「私は、母親が、私のために祈ってくれた祈りを、今でも覚えています。母が声に出して祈ってくれた祈りは、私のこれまでの毎日の日々を守り、そして私の人生を導いてくれました。今、私がこのようにあるのは、全て、母の祈りのおかげです。」たった9年間であっても、母親の信仰が、息子アブラハムの人生を守り、導いたのです。

教会の子ども達の母親

    1.教会を家族としてくださった神は、肉の家族では子どもがいない女性にも教会の子ども達を我が子としてくださいました。そして子ども達にとっては教会の女性達が母親です。教会の母親は、

生まれたばかりの乳飲み子のように、純粋な、霊の乳を慕い求めなさい。それによって成長し、救いを得るためです。 

Ⅰペテロ 2:2

のような、御言葉のミルクを与える仕事をしてくださっているのです。

    2.また、赤ちゃんは母親に抱きしめられて話しかけてもらうことで単に言葉を覚えるだけではなく、楽しくお話しすることを覚えていきます。それは神様への祈りを覚えるようなものであり、リンカーンのお母さんのようにその祈りによって成長するのです。

● 私の子ども時代、母のことで思い出す一つの光景に食事の準備をしているときに讃美歌を歌っていたことです。そして、朝、私が起きるずっと前に起きて聖書を読み、祈っていたことです。

★ 偽りのない信仰を持つことができたテモテ。祖母ロイスと母ユニケの信仰がテモテに宿っています。私たちも教会の子ども達に私たちの信仰が宿るように育てていきたいものです。御言葉を教え、祈りと愛で育てていきましょう。

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