不思議な出会い
神の摂理

不思議な出会い

礼拝メッセージ

説教者:藤井師
 2023/7/30 礼拝説教
【テーマ】  神の摂理
【説教題】 「不思議な出会い」
【聖書箇所】 ルツ記1:15-17

1:15 ナオミは言った。「ご覧なさい。あなたの弟嫁は、自分の民とその神々のところに帰って行きました。あなたも弟嫁の後について帰りなさい。」
1:16 ルツは言った。「お母様を捨て、別れて帰るように、仕向けないでください。お母様が行かれるところに私も行き、住まれるところに私も住みます。あなたの民は私の民、あなたの神は私の神です。
1:17 あなたが死なれるところで私も死に、そこに葬られます。もし、死によってでも、私があなたから離れるようなことがあったら、【主】が幾重にも私を罰してくださるように。」

ルツ記 1:15-17

○ 士師記の次はルツ記です。ルツとは女性の名前でとても信仰的な女性だったのでこの名前を子どもにつける方もおられます。「るつ」さん「るつ子」さんですね。姑のナオミもその名をいただくクリスチャン女性はいらっしゃいます。

不思議な出会い

ルツ記の全体像

    1.ルツは士師記のどこかの時期にあった出来事です。飢饉のためにモアブの地に移動したエリメレクとナオミ夫婦。そして二人の息子。その異教の地にルツはいました。そこでエリメレクは死にます。息子達はモアブの娘と結婚しましたが、この息子達も死んでしまいました。なんと不幸な3人の女性達でしょうか。

    2.ナオミはベツレヘムに戻ることにし、二人の嫁に実家に戻って再婚することを勧めました。しかし、ルツは お母様が行かれるところに私も行き、住まれるところに私も住みます。 と、ナオミに付き従い、イスラエルの神への信仰に入ると言います。

    3.ユダの地に戻った二人は貧しい生活を強いられ、ルツは落ち穂を拾い集めに行きます。その畑はエリメレクの一族であったボアズの畑でした。ルツの働きぶりを見てボアズは気に入ってしまいます。ボアズはルツに特に親切にし、その様子を聞いたナオミはボアズの気持ちを察しました。

    4.ボアズはルツと結婚するためにイスラエルの規定通り、買い戻しの権利のある親戚と交渉します。その親戚は自分の権利を放棄したので、ボアズが買い戻し、ルツと結婚しました。

    5.不幸と思っていた、貧しい人生をボアズが変えました。ルツもナオミも祝福されたのです。 

4:13 ボアズはルツを迎え、彼女は彼の妻となった。ボアズは彼女のところに入り、【主】はルツを身ごもらせ、彼女は男の子を産んだ。4:14 女たちはナオミに言った。「【主】がほめたたえられますように。主は、今日あなたに、買い戻しの権利のある者が途絶えないようにされました。その子の名がイスラエルで打ち立てられますように。4:15 その子はあなたを元気づけ、老後のあなたを養うでしょう。あなたを愛するあなたの嫁、七人の息子にもまさる嫁が、その子を産んだのですから。」4:16 ナオミはその子を取り、胸に抱いて、養い育てた。4:17 近所の女たちは、「ナオミに男の子が生まれた」と言って、その子に名をつけた。彼女たちはその名をオベデと呼んだ。オベデは、ダビデの父であるエッサイの父となった。4:18 これはペレツの系図である。ペレツはヘツロンを生み、4:19 ヘツロンはラムを生み、ラムはアミナダブを生み、4:20 アミナダブはナフションを生み、ナフションはサルマを生み、4:21 サルマはボアズを生み、ボアズはオベデを生み、4:22 オベデはエッサイを生み、エッサイはダビデを生んだ。 

と、ルツはダビデの祖祖母となり、イエス・キリストの祖先となったのです。

ナオミとルツ

信仰を伝えたナオミ

    1.ナオミは良き証者だったと思います。というのは夫を失ったルツが姑ナオミに着いて行くというのですから。ナオミはルツを思って「帰りなさい」と言うのですが、ルツは頑としてナオミを離れようとしません。それだけナオミはルツに対して愛があったからです。そして、信仰があったからです。その信仰を見て、ルツは自分にもこの信仰が必要だと感じたのです。

    2.ナオミはボアズがルツに抱く感情をも正しく見極め、ルツに対して良きアドバイスをしました。この信仰による直感力は大事だと思うのです。聖霊が働かれてこそ神の導きがわかるのです。

真の神を信じたルツ

    1.ルツはモアブ人で異教徒です。このルツが夫と死に別れてイスラエル人としての生き方からもう一度モアブ人としての生き方に戻らねばならない状況に追い込まれましたが、彼女は真の神に留まることを決意します。信仰にしっかり留まるということです。これは私たちにも望まれていることです。

    2.そして、ベツレヘムに来て、見知らぬ土地で姑のナオミに仕えつつ、貧しい生活の中、落ち穂拾いをします。よそ者が麦畑に入るのですから、大変だったと思います。他の人達も生活がかかっているだけによそ者のルツを良く思わない人達もいたはずです。そんな中をしっかりと働く姿をボアズは見ていたわけです。

ボアズとイエス・キリスト

買い戻したボアズ

    1.神の不思議な導きでボアズの畑に落ち穂を拾いに行ったルツをボアズは気に入ってしまいました。ナオミは土地を売ることにしましたがユダヤの決まりで親戚が買い戻しの権利が生じたのです。優先権のあった親戚が拒否したので、ボアズが買い戻しました。

  4:3 ボアズは、その買い戻しの権利のある親類に言った。「モアブの野から帰って来たナオミは、私たちの身内のエリメレクの畑を売ることにしています。
  4:4 私はそれをあなたの耳に入れ、ここに座っている人たちと私の民の長老たちの前で、それを買ってくださいと言おうと思ったのです。もし、あなたがそれを買い戻すつもりなら、それを買い戻してください。けれども、もし、それを買い戻さないのなら、私にそう言って知らせてください。あなたを差し置いてそれを買い戻す人はいません。私はあなたの次です。」彼は言った。「私が買い戻しましょう。」
  4:5 ボアズは言った。「あなたがナオミの手からその畑を買い受けるときには、死んだ人の名を相続地に存続させるために、死んだ人の妻であったモアブの女ルツも引き受けなければなりません。」
  4:6 するとその買い戻しの権利のある親類は言った。「私には、その土地を自分のために買い戻すことはできません。自分自身の相続地を損なうことになるといけませんから。私に代わって、あなたが買い戻してください。私は買い戻すことができません。」

ルツ記 4*3-6

    2.買い戻しは レビ記25:25 もしあなたの兄弟が落ちぶれて、その所有地を売ったときは、買い戻しの権利のある近親者が来て、兄弟の売ったものを買い戻さなければならない。 とあって、親戚によってその家族を守るものでした。買い戻しは贖いとも言われます。

私達は買い戻された

    1.ボアズはイエスのひな型です。ルツは何もできなかったのに、ボアズによって安心できる住まいを手に入れることができたのです。ボアズが買い戻した、つまり贖ったので、ルツもナオミも安心できる生活に入ったのです。

    2.ルツ記は私達もイエスの贖いによって神の国に入ることができるようになったことを教える話です。異教徒のルツがユダヤ人と結婚したのに未亡人となり、見知らぬ土地に移り住み、親戚筋のボアズと出会うことで生き方も生活も変わったのです。私達もイエスと出会うことで生き方も生活も大きく変わるのです。

★ 神はイエスの誕生のために異邦人ルツを用いられました。異邦人、女性、貧しい人という当時ユダヤ人が蔑むような人がこのルツ記の中心で、その人が救われることで私達が救われることを保証している書ともいえるのです。
 あなたもルツのように神に愛され、また誰かの救いのために用いられようとしているのです。